Jリーグが名古屋にけん責と罰金200万円の処分 コロナ感染対応巡り誤報告 故意の虚偽は認めず

 Jリーグは30日、J1名古屋にけん責と罰金200万円の処分を下したことを発表した。

 名古屋は7月16日に開催予定だった川崎戦に関して、管轄保健所の指導ではなく、名古屋の対応指針を是認されたものだったにも関わらず、新型コロナウイルス感染者の多発により管轄保健所から3日間の活動停止の指導を受けた旨をJリーグに報告し、同試合の中止を決定させた。

 後日の調査により、チェアマンに誤った決定をさせたものではなかったと判明したが、誤った報告に基づき、Jリーグの最も基本的な活動である公式試合の中止を決定させたことから、Jリーグの信用を毀損する行為に該当するとされた。取材対応した野々村チェアマンは「故意ではなかったが、クラブとしての確認を怠り、試合開催の可否が軽んじられたのが大問題。いろんな意見がある中で罰金という形をとりたいと判断した」と、説明した。

 Jリーグによる処分理由は次のとおり。

 名古屋グランパスは、Jリーグから保健所による指導の有無を再確認された際、保健所から試合中止など経済活動を中止する指導はできない旨を明確に伝えられていたにもかかわらず、チームの活動停止はこれと異なると判断し、保健所へ追加の確認等を行わなかった。これらが生じた背景には、担当と保健所とのやりとりならびにリーグへの報告内容に対し、組織として再度確認する体制が十分に整えられていないことも確認された。また、公式試合は予め一部のJクラブのみが不利な日程にならないよう調整して日程が組まれており、特別の事情がない限り変更され、または中止されないことが原則である。そのため、各Jクラブは公式試合の日程遵守義務を負っているところ、虚偽報告により安易に日程遵守義務を回避したとの疑念を他のJクラブ、サポーター等に抱かれかねない事態を招いたことは、Jリーグの信用を大きく毀損するものである。

 一方で、弁護士等も交えた名古屋グランパス、川崎フロンターレ、管轄保健所等への聞き取り調査に基づき、名古屋グランパスが虚偽の報告を故意に行ったとは認められず、また、保健所側からチーム活動の停止に関する直接的な指導を受けたものではないにせよ、名古屋グランパス側が示したチームの活動停止の方針に保健所側が異議を唱えず、これを前提とした感染拡大防止に関する指導を行っている事実が認められる上、保健所の指導に基づいて活動を停止したとされる過去の他クラブの直近の事例からしても、当時の名古屋グランパスの陽性者の広がりからすれば保健所から指導があり得ると考えても不自然とはいえない。

 また、その後の調査によれば、当時、名古屋グランパスは、陽性者、濃厚接触者、怪我人等を除外すると実施要項第13条第4項に定めるエントリー下限人数をもともと満たせていなかったことが客観的に明らかであるために、虚偽報告の有無にかかわらず、結果的に開催可否判断への影響が限定的であった。

 以上の事情を総合的に考慮した。

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