町野、相馬、瀬古が〝抜てき〟 大迫、浅野、板倉負傷で土壇場ギリギリ新顔テスト
日本サッカー協会は15日、W杯カタール大会(11月20日開幕)の日本代表メンバー決定を控えた最後の強化試合としてドイツ・デュッセルドルフで行う、国際親善試合の米国戦(23日)とエクアドル戦(27日)に臨む30人を発表した。大迫勇也(32)=神戸、浅野拓磨(27)=ボーフム、板倉滉(25)=ボルシアMG=が負傷で招集を見送られた一方で、町野修斗(22)=湘南、相馬勇紀(25)=名古屋、瀬古歩夢(22)=グラスホッパー=が抜てきされた。負傷者続出によって、森保一監督(54)は選手選考の最終局面で新戦力登用という思わぬ誤算に見舞われた。
最終選考の場に3人が食い込んだ。26人のW杯メンバー決定を控えた最後の代表活動。森保監督は常連組で固め、本番に向けた総仕上げを行う目算だったが、負傷者が相次いだことで、新戦力の登用を余儀なくされた。
W杯メンバー入りが確実視されていた板倉が左膝内側側副靱帯(じんたい)を部分断裂し、浅野は右膝内側側副靱帯を断裂。大迫はJ1で欠場が続く。森保監督は3人の状態について「W杯本大会にはしっかり治って、選考対象となることができると聞いている」と明るい見通しを語ったが、不測の事態への備えも迫られた形だ。
最終予選で守備陣の中軸を担った板倉の代役には瀬古を抜てきした。1月の代表候補合宿で初選出されたが、体調不良で招集辞退。代表戦の出場歴はないが、今季はスイス1部で開幕から全8試合に先発出場。3バックや中盤の底「アンカー」でもプレーする進境著しい22歳に対して、森保監督も「対人の強さ、攻撃の組み立てで良さを発揮している。今回のグループに入っても活躍できる」と大きな期待を寄せた。
「E-1組」からは町野と相馬を〝昇格〟させた。前線で起点となれる町野のプレースタイルは大迫と類似しており、現代表メンバーの中では希少な部類に入る。相馬は鋭いドリブルに加え、FKという武器も併せ持つ。森保監督は「チームのためにできることを最大限、思い切って見せてほしい」と求めた。
選手選考の最終局面に至って〝新顔〟の融合という誤算にも直面したが、指揮官は「誰かがいない時にチーム力が落ちるのではなく、しっかりとチームを機能させる」と力を込めた。W杯に臨む日本代表の候補者は、今回の30人に負傷離脱の3人を加えた33人に事実上、絞られた。