INAC神戸名物「DJ83」広島戦でスタジアムDJ引退 安本社長新たな挑戦へ

 サッカー女子プロリーグのWEリーグ・INAC神戸の安本卓史社長(49)がWEリーグ杯・広島戦(25日・Jグリーン堺)を最後に3年間担ってきたホームゲームのスタジアムDJを引退し、新企画に取り組むことを22日、表明した。

 INAC神戸のホームゲームでは名物となっていた「DJ83(やっさん)」こと安本社長のスタジアムDJ引退が決まった。元々は19年のエープリルフールの単発企画として始まったが、初回のパフォーマンスが納得のいくものではなく、再登板が決定。その後はホームゲームでの名物に定着した。背番号「83」のユニホーム姿の社長が選手紹介やゴールを伝えてきた。

 3年間で30試合ほど担当。「批判もたくさん頂きましたが、骨肉粉砕でやって来ました」と振り返る。広島戦を最後に勇退し、女性活躍社会のけん引というWEリーグの設立意義にも合わせて女性DJに道を譲る。

 スタジアムDJは引退するが、「DJ83」は新たな挑戦に向かう。パナソニックのリアルタイム音声配信サービス「CHEERPHONE(チアホン)」を活用し、来場者にリアルタイム解説を始める。J1G大阪などでも試みている取り組みで、スマホとヘッドホンがあればスタジアムでリアルタイム解説を聞くことができるようになる。スペシャルゲストも呼びながら、独自エピソードも交えた解説を、広島戦から提供する予定だ。

 昨季WEリーグ優勝のINAC神戸はJ1神戸などで活躍した朴康造監督が新たに就任して今季をスタート。WEリーグ連覇に加えて、皇后杯、新設のWEリーグ杯の三冠を掲げている。

 10月のリーグ開幕を前に開催されているWEリーグ杯は1次リーグ最終戦となる広島戦を残し、2勝1分けでB組2位。決勝に進むことができるのは各組1位だけなので、すでに1次リーグ全試合を終えている首位の日テレ東京Vを逆転するには広島戦で5点差以上の勝利が必要になる。

 広島には昨季リーグ戦で1勝1敗。安本社長は「2試合目の相模原戦(0-0)で引き分けたことが重くのしかかっている。1試合、1点の重みを改めて感じる機会になった」と厳しい状況に追い込まれたことを受け止めながらも「5-0で勝ち切る試合が目標」と大勝を目指すことを誓った。

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