中村俊輔 笑ってさよなら-26年間の現役生活に終止符「よくもがいた」

 「明治安田生命J2、熊本3-4横浜FC」(23日、えがお健康スタジアム)

 今季で現役を引退するJ2横浜FCの元日本代表MF中村俊輔(44)が23日、熊本市のえがお健康スタジアムでの最終節・熊本戦にスタメン出場し、現役ラストマッチに臨んだ。今季初の先発で左腕にキャプテンマークを巻いてピッチに立ち、後半15分に退く際には2万人超の観衆から拍手が注がれた。6月に手術した右足首の痛みとの闘いもありながら、得意のフリーキックではチャンスも演出。来季のJ1昇格を決めていたチームは4-3で逆転勝ちした。引退後は指導者としての道を進んでいく。

 笑顔で現役ラストマッチを終えた。中村俊が後半15分にFW伊藤との途中交代を告げられると、両軍のファン、サポーターから万雷の拍手が送られた。

 「終わってみると、いろんな人に支えられていたんだなと気付く。『一緒に戦ってくれて、ありがとう』という感謝の気持ちでプレーした」。試合後には敵地にもかかわらず胴上げで3度舞った。

 44歳3カ月29日で三浦知良(鈴鹿)の持つ52歳1カ月12日に次ぐJ2歴代2位の最年長スタメン。リーグでの先発は2021年4月7日のJ1広島戦(ニッパツ)以来564日ぶりで今季初だった。四方田監督は「彼らしくやってくれればいい」と起用に迷いはなく最後の舞台を整えた。

 プレーで起用には応えた。「決定的なことはできなかった」と振り返るが、前半12分には激しいスライディングでボールを奪うなど闘志を見せた。“黄金の左足”も健在で同37分にゴールにはならなかったが、フリーキックでFW小川の頭にピタリと合わせた。

 すでにJ1昇格を決めているチームは26ゴールで得点ランクトップを走る小川の2得点などで大逆転勝ち。俊輔の最後の花道を飾った。

 26年の現役生活で「ビッグクラブとW杯で活躍するのはかなえられなかった」。だが、実現できなかった目標は指導者となり後進に託す。「よくもがいたんじゃないですか。それは指導者になっても一緒」と俊輔。現役生活に終止符を打ち、次世代の育成に力を注ぐ。

 ◆中村俊輔(なかむら・しゅんすけ)1978年6月24日、横浜市出身。桐光学園高から97年にJ1横浜Mに入団。2000年に日本人最年少でJリーグMVPを獲得し、A代表に初招集。02年イタリア1部のレッジーナに移籍。05年スコットランド1部・セルティックへ移籍。09年からスペイン1部・エスパニョールへ移籍。10年にJリーグに復帰し、横浜M、17年に磐田、19年途中から横浜FCでプレー。日本代表として06年ドイツ、10年南アフリカW杯に出場。178センチ、70キロ。利き足は左。

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