キングカズ 出身地静岡のJ1勢消滅に嘆き「サッカー王国崩壊みたいに書かれると気分が良くない」
「JFL、鈴鹿0-2ソニー仙台」(6日、四日市市中央陸上競技場)
日本フットボールリーグ(JFL)第28節が行われ、鈴鹿ポイントゲッターズの元日本代表FW三浦知良(55)は10試合連続で途中出場。自らのJFL最年長出場記録を55歳253日に更新した。10月30日の前節・枚方戦(たまりく)に続く2試合連続のゴールが期待されたが、シュートなしに終わった。
カズは0-2の後半42分に出場。最前線に入り、終了間際には右サイドからのFKに果敢にダイビングヘッドを試みたが、ボールはクロスバーを越え、シュートにはカウントされなかった。
ホームゲームで初めてゴール裏での声出し応援が解禁となった試合だったが、期待された2連勝、2戦連発は成し遂げられず。「元気がなかったですね」と完敗を悔やんだ。
5日のJ1最終節では清水のJ2降格が決まり、史上初めてJ1から静岡勢が消滅することになった。静岡のプロチームに在籍したことはないものの、静岡市出身のキングの落胆も大きい。「ニュースで『サッカー王国崩壊』みたいに書かれると気分が良くないですね」と残念がる。「僕自身も静岡で育って、静岡でサッカーを始めて、サッカー王国で育ったという自負はずっとあったので」。静岡学園高を中退し、ブラジルに渡った40年前から出身地について聞かれることがあったという。「日本では野球が盛んだけど、静岡という土地はサッカーが盛んで、日本のブラジルと言われている所という表現を使わせてもらっていた」。王国育ちを誇りにしてきた。
1日に発表されたW杯カタール大会の日本代表メンバーにも静岡出身選手はDF伊藤洋輝(シュツットガルト)ただ一人。カズは「僕が日本代表に1990年に選ばれた時には静岡出身選手が15人ぐらいいた」と時代の変化に驚きを隠せない。その上で「日本代表というのはみんなのあこがれですし、みんなの目指すもの。僕もその一人。日本代表がワールドカップで活躍することが我々選手のモチベーションにつながる」とメンバーにエールを送った。