横浜M・岩田智輝MVP リーグVに大きく貢献 闘莉王以来16年ぶりのDF選出

 Jリーグは7日、東京都内で年間表彰式「Jリーグ・アウオーズ」を開催し、最優秀選手賞(MVP)には、J1横浜Mの3年ぶり5度目のリーグ優勝に貢献した元日本代表DF岩田智輝(25)が初めて選ばれた。DFの選出は2006年の田中マルクス闘莉王以来16年ぶり4人目。横浜Mからは歴代最多5回目(4人目)の受賞となった。

 壇上でまばゆい光を浴びながら、岩田は誇らしげだった。「この賞をいただけてうれしく思う。マリノスというチームがなければ(MVPを)受賞することはなかった」と感慨に浸った。

 21年に大分から横浜Mに完全移籍。加入2年目の今季はGKを除くとチーム最長2715分間、同最多32試合(先発31試合)に出場した。各ポジションに主力級2人を配置し、選手を入れ替えながら戦い抜いた横浜Mにおいて、数少ない「替えの利かない選手」として存在感を発揮した。

 センターバックで19試合、ボランチで12試合に先発出場。いずれの位置でも質の高さを維持した。大分の下部組織時代にGK以外の全ポジションを担った経験も生き、その多機能性は際立った。

 決して順風満帆のキャリアを歩んできたわけではない。トップチームに昇格した16年はJ3でプレーした。「まさか年間MVPとリーグ優勝をするとは今でも夢のよう」と偽りない思いを口にした。

 7月の東アジアE-1選手権では、国内組で編成された日本代表に選出された。森保監督にはボランチとして評価され、3試合中2試合に先発し、4大会ぶり2度目の優勝に貢献した。19年に東京五輪世代を中心とした日本代表として南米選手権に出場して以来、3年ぶりに返り咲いた。

 受賞スピーチでは両親へ「何不自由なくサッカーをさせてくれてありがとう」。二人三脚で歩んできた妻へは「妻であるあなたもMVPです」と感謝を述べた。最後に「まだ夢の途中」と結んだ。東京五輪世代の25歳が、次代の日本を担っていくはずだ。

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