FC大阪 大阪から27年ぶりに3番目のJクラブ誕生 草サッカークラブからの歩み

 J3入会をサポーターと喜ぶFC大阪の選手・スタッフ
 試合前、応援に駆けつけた糸井嘉男氏、吉村洋文知事らと記念撮影を行うFC大阪イレブン
 J3入会に歓喜するFC大阪サポーター
3枚

 「JFL、FC大阪1-1滋賀」(20日、花園ラグビー場)

 日本フットボールリーグ(JFL)最終節が開催され、FC大阪はホームタウン東大阪市の花園ラグビー場第1グラウンドで最下位のMIOびわこ滋賀と引き分けた。シーズン2位となり、首位の奈良クラブとともに来季のJ3参入が決定した。大阪からJリーグクラブが誕生するのは1995年のC大阪以来、27年ぶり。

 順位要件をすでに満たしていたFC大阪がJ3入会のために突破しないといけない条件は観客動員数だった。ホームゲーム1試合平均2000人超、シーズン15試合で3万人という項目をクリアするためにはこの試合で3732人の観客が必要だった。Jクラブ誕生の瞬間を見届けようと、花園に集まった観客は1万2183人。“カズ来場”に沸いた6月19日の鈴鹿戦の1万2152人を超え、クラブ最多観客数を更新した。大観衆が見守る中で悲願を成し遂げた。

 1996年設立。FC大阪・吉澤正登ファウンダーが社長を務めていた会社の社員を中心に発足した草サッカークラブが原点。サッカー好きのメンバーが扇町公園(大阪市北区)に集まってボールを蹴り合うところから始まり、大阪府社会人5部に登録。運営会社が変更した06年から本格強化に乗り出し、15年にはJFLに昇格する。そのまま大阪第3のJリーグクラブを目指したものの、G大阪とC大阪が君臨する府内で存在感を示すことの難しさを痛感する。J参入のために必要なホームタウンがなかなか定まらずにいた中、18年に東大阪市の承認を受けた。そして20年にJ3ライセンスを取得した。

 着実に目標に近づきつつあった昨年2月10日、クラブが悲しみに包まれた。チーム発足から運営を見守り、J3ライセンス取得に尽力した疋田晴巳代表取締役社長CEOが急性劇症肝炎のため60歳で急逝。夢のJリーグ入りが目前に迫りながら、その日を見届けることができなかった。

 疋田前社長の思いとともに戦った昨季、チームは7位で条件を突破できなかった。今年こその思いで挑んだ今季だった。

 例年課題となっていた夏場の失速もなく、逆にクラブ新となる7連勝を記録。上位をキープして、ついにJリーグ入りを果たした。

 試合後、スタジアムでサポーターとともに記念撮影。疋田前社長の似顔絵入りのTシャツ、フラッグも掲げられた。前社長の急逝後、跡を継いだ近藤祐輔社長(36)は「J3入会というところまでは前社長の疋田の代」と思いを語る。

 来季、J3の舞台で新たな歴史が始まる。「街一体となって新しい歴史を刻んでいきたい。今年J3が決まった瞬間からJ2に向けた戦いが始まる。しっかり新しい歴史が刻めるように東大阪市の皆さまと手を取り合える環境を目指したい」と今後に目を向けた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

サッカー最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    スコア速報

    ランキング(サッカー)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス