J監督で槙野劇場だ「まずは地域密着。町おこし。熱血的な監督に」第二章開幕宣言
今季限りでの現役引退を表明したJ1神戸の元日本代表DF槙野智章(35)が26日、ノエビアスタジアム神戸で「槙野劇場第二章 開幕宣言」と題した引退会見に臨んだ。監督を目指すと明らかにしている槙野は今後について自作の資料を使ってプレゼンテーションも行った。
自他ともに認める“サッカー界のお祭り男”は「これまでにない会見をしたい」と型破りの引退会見に臨んだ。「槙野劇場第二章 開幕宣言」として黒スーツで登場した槙野は、パワーポイントで自作した資料を用いて約15分間、プレゼンを行った。
スタジアムを熱狂に巻き込む「槙野劇場」を目指してプレーしてきたが、5月に右足肉離れで戦線離脱。「今季選手として『槙野劇場』を起こせなかった」とパフォーマンスの低下を認めるとともに「『槙野劇場』を起こしたい次のステージが見つかった」と引退理由を説明した。
目指す監督像としては「槙野が監督だから試合を見に行きたいと思わせられる指導者」と掲げる。「まずは地域密着。町おこし。スタジアムに来ている方を巻き込むあおりやジェスチャーで、局面を変えるような熱血的な監督になりたい」と夢は広がる。
B級コーチライセンスを持つ槙野はJクラブの監督になるために必要なS級ライセンスの取得に「最低でも2、3年はかかる」と見通しを語った。ライセンスの問題さえクリアできれば「来年にでもしたい」と抑えきれない思いがある。
会見後の記念撮影には夫人で女優の高梨臨がサプライズ登場。「内緒で来ました」と花束でねぎらった。槙野も「これからもまた妻を支えられるような人になりたい。ピッチの外で指揮を執る姿を見ていただきたい」と力強く宣言。最後まで「槙野劇場」を貫き、選手キャリアに終止符を打った。
◆指導者ライセンス 日本協会は指導者ライセンス制度を敷いており、Jクラブ、WEリーグ、日本代表の監督を務めるには最高位のJFA公認S級コーチライセンスが必要となる。これを取得するには毎年開催される講習会を受講した上で、理事会の承認を得る必要がある。講習会の受講資格としてA級ライセンス保有者に限られる。B級ライセンスを持つ槙野はまずA級を取得する必要がある。
◆槙野智章(まきの・ともあき)1987年5月11日生まれ。広島市出身。広島の下部組織から2006年にトップチームに昇格。10年オフにケルン(ドイツ)移籍するが、12年1月に浦和に期限付きして国内復帰する。後に完全移籍。守備陣の柱として16年ルヴァン杯、17年ACL、18年、21年天皇杯でのタイトル獲得に貢献。22年に神戸に移籍。J1通算415試合46得点。18年W杯ロシア大会出場など日本代表として国際Aマッチ38試合4得点。182センチ、77キロ。夫人は18年2月に結婚した女優の高梨臨。