国見、初戦突破 小嶺元監督“常勝”継承 12大会ぶり出場で激闘PK制した 改革で丸刈りなしに

 PK戦を制し喜ぶ国見イレブン(撮影・佐々木彰尚)
 総監督当時の小嶺さん
2枚

 「全国高校サッカー選手権・1回戦、国見1(PK6-5)1北海」(29日、ニッパツ三ツ沢球技場)

 1回戦15試合を行い、戦後最多タイ6度の優勝を誇り、12大会ぶり24度目の出場となる国見(長崎)が北海(北海道)を1-1からPK戦の末に6-5で退け、13大会ぶりの白星を挙げた。履正社(大阪)は東邦(愛知)に4-1で、尚志(福島)は徳島市立(徳島)に3-0で快勝。日体大柏(千葉)は芦屋学園(兵庫)に3-1で勝ち、東山(京都)は星稜(石川)に2-1で競り勝った。

  ◇  ◇

 青と黄色のストライプが選手権に帰ってきた。12大会ぶり出場の国見が、7人目までもつれ込んだPK戦の激闘を制して初戦突破。「時間を動かしたいという思いでやってきた。大きな一歩を踏み出せたのではないかな」。OBで就任5年目の木藤健太監督(41)の言葉に実感がこもった。

 前半37分に右サイドからの折り返しをFW利根悠里(2年)が左足で決めて先制。後半27分に追いつかれたが、体を張った守備で勝ち越しは許さなかった。先攻のPK戦は1人目が失敗しても動じず、その後は全員成功。伝統の勝負強さはしっかりと息づいていた。

 改革が実った。代名詞だった丸刈りは昨年やめ、禁止だった携帯電話も2年前からOKになった。「自分たちで判断できることがサッカーにもつながってくる。考えることを身に付けさせたかった」という指揮官の狙いは的中。自身の高校時代にはなかった「うるさいぐらい」選手が意見交換する土壌がチームに根付いた。

 選手は、自身や有名選手の動画をスマホで研究。PK戦で2人を止めたGK今村泰斗(3年)は「自己分析できるのはありがたい」と感謝し「監督は選手同士が話せる場を作ってくれる」と話した。

 常勝軍団を築いた小嶺忠敏元監督が1月に死去。恩師にささげる白星かと問われた木藤監督は「『もっと、もっとやらんか』というような内容だったと思うので」と苦笑した。小嶺元監督の残した「勝利に対する執着心、サッカーへのひたむきさと情熱」という良き伝統は継承しつつ、国見の新時代が始まった。

 ◆北海・島谷制勝監督「PKは運もある。2年生が6人先発した若いチーム。来年戻ってきたい。全国で勝つのは簡単なことじゃないが、勝つ方法はあると思っている」

 ◆国見高校サッカー部 学校創立から18年後の1967年創部。全国高校選手権の戦後の優勝回数は、帝京(東京)と並び最多の6回の優勝を誇る。準優勝は3回。全国高校総体優勝は5回。小嶺忠敏氏が率いた2000年度には選手権、高校総体、国体の3冠に輝いた。主なOBは高木琢也、永井秀樹、路木龍次、三浦淳寛、都築龍太、大久保嘉人、徳永悠平、平山相太、渡辺千真ら元日本代表も数多く輩出している。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

サッカー最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    スコア速報

    ランキング(サッカー)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス