サッカーの元スペイン代表ＭＦで世界的名手のアンドレス・イニエスタ（３８）が、今夏限りでＪ１神戸を退団する見通しであることが５日、関係者の話で分かった。１１日に３９歳の誕生日を迎えるイニエスタは、今季終了まで神戸との契約を残している。

　今シーズンは夫人の出産に立ち会うため、２月下旬からチームを離れスペインに一時帰国。３月１４日に再合流したが、ここまでＪ１で２試合の途中出場、カップ戦でも２試合のみの出場にとどまっている。しかし、中東や米国のクラブが獲得に興味を示しており、新天地で現役を続ける可能性もあるという。

　バルセロナの下部組織から１８歳でトップチームにデビュー。卓抜したテクニックで頭角を現し、リーグ優勝や欧州チャンピオンズリーグ（ＣＬ）制覇など数々のタイトル獲得に貢献した。２０１７～１８年シーズン後に神戸に移り、２０年元日に決勝が行われた第９９回天皇杯全日本選手権で優勝、主将としてクラブに初のタイトルをもたらした。

　ワールドカップ（Ｗ杯）には、０６年ドイツ大会から４大会連続で出場。１０年南アフリカ大会では決勝のオランダ戦の延長で勝利を決める得点を挙げ、母国のＷ杯初制覇の原動力となった。

　◆アンドレス・イニエスタ　１９８４年５月１１日生まれ。スペイン出身。バルセロナの下部組織で成長し、２００２～０３年シーズンからトップチームでプレー。在籍中に４度の欧州チャンピオンズリーグ優勝など数々のタイトル獲得に貢献。ワールドカップ（Ｗ杯）は０６年ドイツ大会から４大会連続出場。１０年南アフリカ大会決勝ではスペインを初優勝に導く決勝点を挙げた。１８年に加入した神戸では１９～２０年の天皇杯全日本選手権でクラブに初のタイトルをもたらした。Ｊ１では昨年までの５季で通算１１０試合出場、２１得点。１７１センチ、６８キロ。