神戸 3発10勝一番乗り イニエスタに初V届ける 最高の恩返し 武藤2発 大迫2戦連発11得点目
「明治安田生命J1、神戸3-2FC東京」(27日、ノエビアスタジアム神戸)
首位の神戸はFW武藤嘉紀(30)が2得点、FW大迫勇也(33)が1得点し、FC東京を3-2で振り切った。25日に今夏での神戸退団を表明した元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(39)はベンチ入りしたが、出番はなかった。
イニエスタの魂を胸に抱き、惜別の3発だ。古巣相手に武藤が大暴れした。前半20分、クロスを右足アウトサイドで捉えてゴール右に突き刺して先制。同44分には大迫の縦パスを右足で鮮やかに沈めた。5、6号の2発で早くも昨季のゴール数に並んだ。
同41分にはエース大迫弾。ゴール前、右足ヒールで流し込む芸術的な2戦連発。日本代表メンバーにはまたも落選したが、得点ランクトップ11得点目で圧巻の決定力を見せつけた。
25日、イニエスタの涙の退団会見にはチームメートが勢ぞろいし、全員が別れの言葉を聞いた。7月1日、札幌戦(ノエスタ)でのラストマッチまでが世界的名手と一緒に戦える貴重な日々となる。
武藤も感謝は尽きない。「僕らの宝物。本当に幸せな時間だった。残り少ない時間、一緒にプレーできる時間をかみしめていければいい。彼が神戸に残したものは計り知れない、僕らの意識も大きく変わった。世界最高の選手でありながら日々、努力を怠らず淡々とプレーする、ああいう意識は本当にプラス」と手本だった。
大迫にも期するものがあった。「彼がいたからここ(神戸)にきた。本当にいなくなってしまうのは残念だけど、僕らは僕らの残された立場でしっかり結果を残していく責任があるので、切り替えてやっていくだけ」と神戸を引っ張っていく責任を一層、強くした。
リーグ10勝一番乗りで首位をがっちりキープ。悲願の初優勝が偉大な主将イニエスタへの最高の恩返しとなる。