なでしこ新時代へ 世界一戦士の岩渕真奈が落選 池田監督「自信を持って選んだ」W杯メンバー23人決定
日本サッカー協会(JFA)は13日、千葉市内で会見を開き、7月に開催される女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会に出場する女子日本代表「なでしこジャパン」のメンバー23人を発表した。11年大会の優勝メンバーで、エースとして背番号「10」を背負ってきたFWの岩渕真奈(30)が落選。海外組の主力選手が順当に代表入りする中で、大きなサプライズとなった。池田太監督(52)は「自信を持って選んだ」と選考の経緯を説明した。
新たな時代を感じさせる代表発表となった。「自信を持ってこの23名を私は選び、来月から始まるW杯に向けて1つ準備を進めていきたい」。会見で池田監督が宣言して読み上げた23人の代表選手。しかし、そこにエース岩渕の名前はなかった。
11年ドイツ大会で世界一に輝いたメンバーであり、長く背番号「10」を背負った岩渕。ただ、今シーズンは所属のアーセナルで出場機会に恵まれず、1月に期限付きでトットナムへ移籍。それでも4月の代表の欧州遠征ではメンバーに選出され、2試合に出場していた。
池田監督は岩渕について「これまでチームを作る過程で、彼女が持っているなでしこに対する思い、プレーでチームを引き上げ、チームのために戦ってくれた」と、これまでの貢献を評価する。その上で「総合的に考えた。代表活動でのパフォーマンス、所属チームでの現在の状況、それを踏まえW杯での戦い、ピッチ上、ピッチ外、さまざまなシミュレーションをした中で選手の選考にあたった」と岩渕を含めて選外となった選手の理由を説明した。
これで11年大会の優勝経験者はDF熊谷(ローマ)1人。ただ、DF清水(ウエストハム)、MF長谷川(マンチェスターC)ら海外で活躍する主力は順当に選出。一方でFW浜野(ハンマルビー)ら10代選手も選ばれ、バランスの取れた布陣とも言える。
また、右膝前十字じん帯損傷から復帰したDF高橋(浦和)、FW千葉(千葉)が復帰。「(23人は)昨日の夜に決断した」と“池田色”も出しながら熟慮の選考だった。「世界のサッカーは急速に発展している。そこにひるまず勇敢な姿で立ち向かっていければ」と決意を語る。目指す12年ぶりの世界一へ、なでしこジャパンが新たな船出を迎えた。