【福西崇史 熱血EYE】新生・森保ジャパンを分析「目を引いた選手で言えば旗手と板倉」
「国際親善試合、日本代表6-0エルサルバドル代表」(15日、豊田スタジアム)
日本が6-0で大勝した。谷口彰悟(アルラヤン)のゴールを皮切りに、上田綺世(セルクル・ブリュージュ)のPK、久保建英(レアル・ソシエダード)、堂安律(フライブルク)のゴールで前半を4-0で折り返した。後半も中村敬斗(LASK)、古橋亨梧(セルティック)が得点した。昨年のW杯カタール大会後の初勝利を挙げた新生・森保ジャパン。2002年日韓、06年ドイツ日本代表の福西崇史氏が分析した。
◇ ◇ ◇
日本は後半、少しプレスを強めたようだ。だからエルサルバドルの攻撃を止められた。そこから攻撃をスムーズにできる場面が、前半よりは多かった。
ただ、開始早々に相手が10人になったから、日本は試せなかったことも多いように思えた。攻撃とか新しい選手を試せることは多かったものの、全体的にどうしていくのかをやりたかったのではないだろうか。守備の面、リスク管理も含めてどうしていくのかという、チームの決めごとはやりたかっただろう。
1人多いから数的有利を作りやすくなるし、ボールを取れてしまう。11人を相手に、打開された後にどうしていくのか、連係のところで複数守備ができるのかを見たかった。
久保については前半もそうだが、ドリブル、仕掛け、中に切り込むところは、所属チームでやっているような意識の高さが見られた。シュートについても、まずはシュートを打つ気でボールに寄っている。狙いを定めて蹴る余裕があった。
日本が先制した場面にしても、比較的抑えめの、合わせにいくようなボールにしていた。GKが出られるか出られないか、微妙なところに蹴られたのが良かった。
上田のPKは、その前にかけていたプレッシャーが効いた。相手がミスしていた。判断速く動いていることによるファウル。そこの部分で言えば、彼の良さが出ていた。
古橋は、決めたというところはさすが。プレッシングの速さもあったので、これから積み重ねていくと、いいパスのタイミングは出てくると思う。上田、川辺、中村敬らを含めて、前は面白くなるだろう。
試合を通じての評価となると、なかなか難しい。11人が相手なら言えることも、10人が相手だと、いい場面でも10人だからとなるし、リスクがないから人数をかけていける。特に守備の評価は難しい。
目を引いた選手で言えば、旗手と板倉だ。旗手は攻撃で出てくるのが持ち味だが、守備もできる。ユーティリティーさがある。板倉は、エルサルバドルが一人少なかったことがあるにしても、ボールを持ち運ぶことで相手がどう動くかが見えてくる場面が多かった。
ペルー戦へ向けて、日本がしていかなくてはいけないのは守備からの攻撃。精度を上げることと、ボールの保持がポイントになる。攻撃のところで工夫がどう出てくるのか。11人の中で見ていきたい。(2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表=デイリースポーツ評論家)