パリ五輪出場を目指すサッカーＵ－２２日本代表の大岩剛監督（５１）が、来年７月２４日のパリ五輪サッカー競技開幕まで１年と迫り、合同インタビューに応じた。Ｗ杯とは異なり選手招集が難しい五輪で、ＲソシエダードのＦＷ久保建英（２２）の五輪出場を期待するとともに、オーバーエージ枠も含めた選手招集の難しさなど、課題に対応しながらメダルを目指す思いを語った。

　－パリ五輪の１年前。今の心境は。

　「活動し始めて１年半がたって、コロナ禍でもなかなか難しい中でも活動ができたっていうのもあるし、あっという間にここまで来たっていうのと、予選の時期も決まらずに今まで来ていたので、いろんなことに対応しなきゃいけないなっていう気持ちは今でもある。選手の招集の件もそう。今後もいろんなことに対応していかなきゃいけないなと」

　－チーム作りの手応えは

　「順調に来てるなっていう風には思う。ただ、ＩＷ（国際Ａマッチデー）外なので（選手が）招集ができる、できないかも関わってくる。選手自体の成長もあるだろうし、本当に対応していかなきゃいけないなって気持ちの方が強いと思う」

　－来年４月からは予選を兼ねたアジア杯はどのように対応していくのか。

　「考えられないですね。今回（６月）のイングランド戦、オランダ戦もＩＷ外で活動させてもらったが、その時も招集できる選手、できない選手がいて。どの選手が来ても同じようにやれるようなチーム作りをしてきたつもりなので、今後もそういう対応が必要なのかなと」

　－久保建英の存在とチームでの位置付け

　「やっぱりこの年代を引っ張っていく存在だと思うし、その立場に彼は立っている。このチームで活動する機会があるとすれば、そういう存在であってほしい。ただ、これは、所属チームの状況にもよる。他の選手と同じように期待をしたいっていうことと、ぜひ、この活動に理解していただければいいなと思いますね」

　－東京五輪では久保の涙が印象的だった。彼のリベンジの思いを直接聞いたことは。

　「そういう気持ちでいると言ってた。あとはクラブが理解してくれるか。それは本人も言っている。当然自分としては行きたいと。僕も自分のチームでしっかりポジションを取らないといけないので、しっかり頑張ってオリンピックに出られるようにやっていきますって話はした。招集できるということになれば自分自身もうれしいし、彼もやってくれるんじゃないかなという期待をしたい」

　－本大会ではオーバーエージもある。現状、監督の中で考えている候補選手は。

　「それはポジションによっては頭にある選手はいるが、これも来られるかどうかが分からない。いろんなシチュエーションを準備しながら、本大会に出場できるという時点で、しっかりとチーム状況を把握したいなと」

　－このポジションだけは必ず入れるというイメージは。

　「どのポジションもスタッフ間だけのリストを作っているし、本当にこれはオーバーエージだけじゃなくて、移籍する選手もたくさん出てくるので、オーバーエージもそうですし、どこに所属しているのかも全く先が読めない状況なので。登録の期日もある。本当に先が見えない中で選手を登録しないといけないのでそういう難しさはあると思う」

　－そこは思っていた以上に難しいか。

　「僕も鹿島（の監督）をやっていたので、クラブ側の考えも十分に分かる。それは本当にお願いベースでしかないかなと」

　－あと１年で上積みをしていく部分は。

　「選手の成長というか、いろんな意味でプレーヤーとしての大きさに期待するしかないのかなと思う。個の強さとかデュエルとか、それってもう当たり前じゃないですか。日本代表として何が求められると言えば、サッカーの本質のところと森保監督はよく言いますが、実際にわれわれもヨーロッパ遠征をしてみて、そこが足りないと選手自身も痛感している。いかに海外の選手と差を縮めて、チームとして戦術面で上回っていくか。選手自身も環境を変えることで成長したいと思っているだろうし、その部分をまずは期待したいと思う」

　－パリ五輪の目標。

　「東京オリンピック以上の成績を求められると思うので、メダルを取るという期待に応えたい。選手にわれわれのロードマップを見せる上で、そこがターゲットだよって話をしてるので、しっかりと見据えながら逆算してわれわれの活動がいい形でつながっていけばいいかなと思う」