なでしこ2大会ぶり4度目8強進出 澤に並んだ宮沢5発 ノルウェー撃破で4連勝
「女子W杯・決勝トーナメント1回戦、日本代表3-1ノルウェー代表」(5日、ウェリントン)
女子日本代表「なでしこジャパン」はノルウェーに3-1で快勝し、2大会ぶり4度目の8強入りを決めた。日本は前半15分に相手のオウンゴールで先制、同20分に同点に追い付かれたが、後半5分に清水梨紗(ウェストハム)が勝ち越しの決勝ゴール、さらに宮沢ひなた(マイナビ仙台)が今大会5得点目を奪って勝負を決めた。4連勝と勢いに乗る日本は11日の準々決勝で、スウェーデンと米国の勝者と対戦する。
この先は負ければ終わりの戦い。そんな重圧をみじんも感じさせない力強さと高い修正力。なでしこが強豪・ノルウェーに完勝で、2大会ぶりのベスト8進出を果たした。
「われわれは90分でしっかりと決着をつけたい」と話した池田監督の言葉通り、開始からなでしこ攻撃陣が相手ゴールに迫る。そして主導権を握り続けて迎えた前半15分だ。宮沢のクロスにノルウェーMFエンゲンが足を伸ばすが、クリアボールがゴールへと吸い込まれ、幸運な形での先制点を手にした。
だが、決勝トーナメントは一筋縄ではいかない。前半20分にMFリサが右からのクロスを上げると、MFライテンが頭で合わせての同点弾。なでしこは今大会初失点を喫した。
しかし、今大会のなでしこの強さはこの先にある。ハーフタイムで話し合い、中盤の長谷川と長野が高い位置を取って攻撃に厚みを出すことを確認。後半5分。ゴール前の混戦から相手のパスミスが清水へ渡り、冷静にゴール右隅へ流し込んで勝ち越しに成功した。
後半36分にはFW宮沢がスルーパスに抜け出し、今大会通算5点目のゴール。1大会5得点は11年大会の澤穂希に並び女子日本代表史上最多だ。「ちょっと頭が追いつかない。ここまで点が取れるとは思っていなかった。シュートシーンもあまり覚えていない」と照れ笑いを浮かべた。
試合終了間際の後半46分には、セーヴィクのヘディングシュートをGK山下が左手一本のスーパーセーブ。最後までノルウェーに流れを渡さなかった。
池田監督は「選手全員が躍動してくれた」と称賛。それでも主将・熊谷は「もう少しここから先に進まないと、見てくれる人の数は増えない」とその背に負う使命を口にする。再び女子サッカーに光を-。その目標とする頂点へ、また1つ大きな関門を突破した。