なでしこ 4強ならず涙の終戦 後半猛攻も1点遠く 敗戦糧にパリで悲願の「金」目指す

 「女子W杯・準々決勝、日本代表1-2スウェーデン代表」(11日、オークランド)

 日本代表「なでしこジャパン」はスウェーデンに1-2で敗れ、2大会ぶりの4強入りを逃した。日本は前半32分に今大会初の先制を許し、後半6分はPKで失点。後半42分にMF林穂之香(ウェストハム)のゴールで1点差とし、その後も攻め続けたが追いつけなかった。

 あと少し。ほんの少しの差が勝敗を分けた。12年ぶり頂点を目指したなでしこの旅路は、ベスト8で終焉(しゅうえん)を迎えた。

 「後半にしっかりと戦う姿勢を見せ、最後まであきらめずに戦ってくれたことを誇りに思う」と振り返った池田監督。前半の劣勢をはね返し、後半はなでしこが猛攻を見せた。

 前半はシュート0本で0-1の折り返し。後半6分にはPKで追加点を奪われた。しかし、後半から投入のMF遠藤、MF林、MF清家らが流れを変え、後半42分に遠藤から清家へつないだチャンスで最後は林が決めて1点差と迫る。10分間のロスタイムで、その攻撃がさらに加速した。

 だが後半46分に清家がシュートを放ち、同49分はFKのこぼれ球をFW浜野がボレーで合わせたが得点できず。最後の最後まで果敢に攻め続けるも、無情の笛が敗戦を告げた。

 11年の優勝メンバーであり、この試合で宮間あやの最多主将記録62試合に並んだDF熊谷は「最後に届かなかったのは、自分たちの力の無さ」と涙を浮かべる。後半29分の植木のPK、そして同42分の藤野のFKもクロスバーをたたいた。勝敗を分けたのは、そんなわずかな差だった。

 池田監督は「プレスの強度、奪いきる力をチームとしても個人としても、もっと上げていかないと」と話す一方で、大会前の下馬評を覆す快進撃に「なでしこジャパンのサッカーを世界に示すことができたのも事実」と選手たちをたたえた。

 「少しでも前に進むことが女子サッカーの未来につながる。少しでも前に進みたかった」と熊谷は話す。ただ、11年の澤穂希に並ぶ1大会の日本代表最多5得点を挙げたFW宮沢らの台頭は、国内プロリーグ誕生などで積み上げた先の未来を明るく照らすものだ。

 宮沢は「もっと相手に怖さを与えられるように(力を)伸ばしたい」とさらなる成長を誓った。W杯の舞台で見せた可能性と課題を糧に、池田ジャパンは来年のパリ五輪で悲願の金メダルを目指す新たな旅路へと向かう。

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