なでしこFW田中美南 ファン拡大へ取り組んだ試み ベーカリー店長で交流「すごくいい時間を過ごせた」
サッカー女子W杯でベスト8に終わった「なでしこジャパン」。しかし、3連勝で突破した1次リーグは多彩な戦術と鋭い決定力を見せ、11得点無失点という内容で世界から高く評価された。女子サッカーを一人でも多くの人に知ってもらおうと奮闘した代表選手たち。その中でFW田中美南(29)=INAC神戸=が取り組んだ試みを紹介する。
結果を出して女子サッカーをもっと知ってもらいたい。強い思いで大会に臨んだ田中美は全5試合中4試合で先発し、2得点を挙げた。
20年にINAC神戸に移籍(21年2~6月は独レバークーゼンにレンタル)した田中美は、選手としてファン拡大へ何かできないかを模索していた。そこで今年4月に同市内の商業施設「Umie」にある「ADASTRA Bakery」で2日間限定店長を務め、歴代のINACのユニホームをリメークしたバッグを出品した。同店のオーナーと知り合いだったことからこのプランが実現。バッグ製作には自ら工場とも連絡を取り、さらに事前にラテアートを練習するなど入念に準備を行い、店を訪れたファンに振る舞ったという。
同店の森未来店長は「ラテアートを覚えるのは普通は時間がかかるのですが、田中選手は割と早かったです。やっぱり勘とセンスがいいんですね」と振り返る。日本代表DFの守屋都弥(26)も一緒に店長を務め、多くのファンが来店し、田中自身も「すごくいい時間を過ごせた」と充実したふれ合いに満足。W杯での活躍でさらに注目度も増した。この試みが地元・神戸での新たなファン獲得へのきっかけになるに違いない。
◆ADASTRA Bakery 神戸市中央区東川崎町1の6の1 神戸ハーバーランドUmie MOSAIC1階107区画 営業時間11・00~22・00。