岩渕真奈が涙の引退会見「ただただありがとうという気持ちです」11年W杯Vメンバーも「楽しいより苦しい思いが強くなって」
サッカーの元女子日本代表「なでしこジャパン」のFW岩渕真奈(30)が8日、都内で引退会見を開いた。1日には自身のSNSで「プロサッカー選手を引退することにしました。自分のサッカー人生が大大大好きでした」と現役引退を表明していた岩渕。「引退すると言ってからいろんな人にありがとうと言ってもらえることが多く、1週間ぐらい経って(サッカー人生が)もっと好きになったし、いろんな人に支えられていたんだなと。ただただ、ありがとうという気持ちです」と、涙をぬぐいながら語った。
岩渕は15歳だった08年に日テレVのトップチームに昇格。以降はチームの主力として活躍した。12年11月にはドイツ女子ブンデスリーガ・ホッフェンハイム(当時2部)に移籍。その後はバイエルンやアーセナルなどでもプレー。昨季途中からは期限付き移籍で加入したトットナムで10試合に出場した。
日本代表には10年に初招集。翌年の女子Wドイツ大会ではチーム最年少の18歳で選ばれ、日本の初優勝に貢献した。翌年のロンドン五輪、15年のW杯カナダ大会、19年のフランス大会、21年の東京五輪にも出場。ただ、今年のW杯オーストラリア・ニュージーランド大会では選出外となっていた。 引退の経緯については「自分がやりたいプレーができないなと感じていた時なので、そういうタイミングだった。W杯の落選があったからと捉えられるのが嫌で、自分で伝えたいと言った。(昨季は)アーセナルでスタートして、なかなか自分のベストのプレーができず、出場機会も得られない中で、W杯を目指してトットナムに移籍したが、それでも今までの通りの自分がやってきたことができなかった。楽しいと感じるより、苦しい感じる思いが強くなって、少しずつ考えるようになった。(W杯落選は)残念な結果になったけど、W杯に行けたとしてもW杯が最後かなと思っていた」と、語った。今後については「サッカーを口で伝えるのが苦手なので、指導者になれる自信は今は無いが、女子サッカーの発展や成長に貢献したい。U-12の全国大会が開かれていない中で、そこは自分も声を上げて、小さい子たちにも何か選択肢を与えられる活動ができたらなと思う」と話した。