【福西崇史 熱血EYE】相変わらずだった伊東の存在感 全体としてもう少し安定したところを見せたかった守備

 後半、チーム4点目となるPKを決める伊東
 後半、ドリブルで攻め込む伊東(左)
2枚

 「国際親善試合、日本代表4-2トルコ代表」(12日、ゲンク)

 日本は前半に伊藤敦樹(浦和)の代表初ゴールと中村敬斗(スタッド・ランス)が2得点し、後半に伊東純也(スタッド・ランス)がPKを決めて4-2で勝った。4-1で快勝した9日のドイツ戦と合わせて2連勝で終えた欧州遠征を、2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表の福西崇史氏が分析した。

 ◇  ◇  ◇

 ドイツ戦もそうだったが、日本は要所要所でのコントロールはできていた。後半、押し込まれていたあたりの守備については、プレッシャーが弱くなって、行ききれないところが増えていた。その結果、ズルズルと下がらなくてはいけなくなった。ディフェンスラインについては、高い位置で中盤を助けたドイツ戦と比べて少し下がるのが早く、スペースが空いた。

 トルコが2点目を入れ、勢いよくきていたものの、伊東で流れが変わった。独壇場でのカウンターだけに、相手は意気消沈した。やはり伊東の個の力はトップレベル。ドリブルや裏に抜けるタイミング、安心感にしても、伊東の存在感は相変わらずだった。

 スタメンについてはドイツ戦と大きく替わったが、少し物足りなさを感じた。全体を通してアピールしたとなると久保ぐらいで、局面を打開した。安定したのは遠藤が入ってからで、伊東にしても冨安にしても安心して見られた。

 先発した毎熊や町田、伊藤敦らはまずまずだった。毎熊は初めての割には積極性もあったし、比較的良かった。伊藤敦は点を取ったし、町田も高さを生かした後ろのつなぎというところで及第点は与えられる。今後への経験になるし、試合を重ねていきながらチームの層はもっと厚くなる。落ち着きも出てくるだろうし、安心感も出てくると思う。

 ただ、チーム全体として、守備はもう少し安定したところを見せられたら良かった。前からはめるということに関して、今日ははまっていなかった。人が替わってもうまくはめられるリズム、やり方を落とし込みたい。

 欧州遠征を終え、ドイツ戦で日本がどれだけできるかを示せた。あの完勝は自信にもつながるし、守備の安定感は収穫だ。トルコにしても決して弱いチームではない。これだけ余裕を持って戦えたということで、日本の成長を世界に見せられた。

 10月の親善試合では、選手を試すことが多くなると思う。個でアピールする選手が増えてくるだろうし、調子がいい選手を使っていくのもありだ。W杯予選も控えており、本番を考えたらドイツ戦のメンバーが中心になるだろう。それをベースに試しながら、いろいろな人を替えていくのではないかと思う。

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