【福西崇史の熱血EYE】特にアピールした選手を挙げるなら町田、南野、中村、旗手
「国際親善試合、日本代表4-1カナダ代表」(13日、デンカビッグスワンスタジアム)
日本は田中碧(デュッセルドルフ)が2得点し、中村敬斗(スタッド・ランス)のゴールに、オウンゴールを誘い、4-1で勝った。17日にはノエビアスタジアム神戸でチュニジア代表と対戦。2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表の福西崇史氏が、快勝した一戦を分析した。
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しっかりと守備をしていくという森保監督のサッカーが、交代した選手を含めてチーム全体に落とし込まれていた。そして個々という点で、それぞれが個を出していた。
中村は慣れてきた。そして彼を使うことに関して、ほかの選手も慣れてきた。交代したときも、局面を打開してほしいという打開の仕方をしていた。局面の打開でアピールした。
彼の良さはドリブル。中に入るとか、左のサイドになるとコースは限られてくる。ドリブルでは、中に入って仕事をした方が良さは出る。結果も出ているし、自分でボールを取るところまでいっている。チャンスの場面でも、守備をしてからの攻撃への厚みということではゴール前にもいた。三笘の代役としては及第点以上だろう。
田中は前へ前へという飛び出しがいい分、後ろでの組み立てよりは、前で仕事をした方が良さは生きる。だからこそ2点も取ったし、オウンゴールを誘ったのもそうだし、ハットトリックができそうなところもそう。プラスワン、ツー、後ろから出てきた選手ということで良さを見せられた。
彼の守備については、伊藤敦が入り、遠藤がいなくなってゲームメークをすることになったが、間合いなどを考えると、もう少しフリーでもらってペースを握ることも、もう少ししてほしい。やはり前の方が生きる。
特にアピールした選手を挙げるなら町田、南野、中村、旗手だろう。町田は1対1の強さがかなりレベルアップしているし、ボールもつなげていた。南野はさすがに気が利いたプレーをしてくれる。点を決めれば-ということで、かなり力が入ったシュートばかりだったが、そこに至る部分で間に入ったり、裏へ抜け出したり、3バックの間に入る動きもしていた。
旗手はどこでもできる。相手の状況を考えたプレーをしてくれる。寄せてパスというところでも気が利いていた。海外でやっているし、海外の選手の体格を考えて、次の選手のプレーのことも考えてくれる。
課題を挙げるなら1失点した場面だ。疲れてきているのにどうしたいのか。ゲームメークをだれがやるのか。ゆっくりやればいいのに、どんどん攻撃にいってしまう。ドリブルでいったら人がいなくて相手に囲まれ、取られてしまっていた。
チュニジア戦は組み合わせになる。久保が入ってきたらどうするとか、守田と組ませるのはだれにするとか、伊藤洋は腰の状態が良ければ出てくるだろう。基本的には森保監督がベースで作っているメンバーに誰が加わっていくかということ。その組み合わせを見ていきたい。