「明治安田生命Ｊ１、湘南１－１神戸」（２８日、レモンガススタジアム平塚）

　開幕からフル出場のＭＦ山口蛍が負傷で離脱し、１－１の後半途中からはＭＦ佐々木大樹も腰付近を痛めて途中交代。ピンチを救ったのが元日本代表ＤＦ酒井高徳だ。

　佐々木交代後は右サイドバックからボランチに変更。守備に安定感をもたらし、ＭＦ扇原貴宏と組み、攻守のかじ取りを担った。

　ドイツ１部リーグ以来のボランチ。吉田孝行監督と詳細に話し合う時間もなく、ほぼぶっつけだった。

　「とにかくバランス。勝ちに行く大前提だけど１－１ということは逆転される可能性もある。自分とタカ（扇原）のところでしっかりバランスを取ることを考えた。時間がなくあまりコミュニケーションを取れなかった。昔やってた感じだったり、普段自分がボランチに思っていたりとか、ボランチに要求したり、要求されたりするようなことを意識して。セカンドボールが拾えなかった印象があったので何とか一つでも拾って１個でも多く自分らのリズムに持っていけるようにした」と、久々にも慌てることはなかった。

　７月７日の新潟戦（デンカＳ）ではセンターバックも務めた。困難な急造の代役も見事にこなし、最低限の勝ち点１をもたらした。

　「（残留争いの）去年、苦しい思いをして勝ち点１がどれだけ大事なものか。次につながるものかは意味があった勝ち点１だったと思っている。１に詰められたのか２に詰められたのかは今後変わってくる。目の前の試合にどう立ち向かい、ポイントを取るかということをずっとやってきた。負けでなく引き分けで終わるのは大事なこと。勝って向こうが負けて優勝決まりましたとか簡単なことはない。最後の最後まで何も決まらないんだという気持ちでやっていかないといけない。僕にとってはアウェーで非常に大事な勝ち点１と思う。残留争いする湘南さんの思いは絶対にあるし、去年自分たちが痛い程、理解している。悔しいけど勝ち点１は自分たちにできた最低限」。２位・横浜Ｍが勝ち点２差に迫る中、残り３試合、し烈なデッドヒートを見据えた。