44歳・小野伸二 天才は最後まで華麗に 古巣浦和と引退試合「持っている力は出せた」

 引退セレモニーを終え、胴上げされる札幌・小野
 前半、パスを出す小野(左)
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 「明治安田生命J1、札幌0-2浦和」(3日、札幌ドーム)

 今季限りで引退する札幌の44歳、元日本代表MF小野伸二は古巣の浦和戦に先発して、前半途中に退き、0-2で敗戦。

 プロとして最後の22分間に、すべてが凝縮されていた。小野が見せたテクニックは「天才」の呼び名にふさわしかった。44歳2カ月6日での先発は、J1で歴代2位の年長記録。「短い時間だったが、持っている力は出せた」と満足げだった。

 現役最後の相手は、1998年にプロデビューした古巣の浦和。3万人以上が集まったスタンドには、試合前に背番号を表す「44」の人文字が浮かび上がる。相手サポーターからは試合後にチャント(応援歌)を贈られ「縁があるチームとの最終戦で、ピッチに立てて幸せ」と喜んだ。

 前半4分には難しいバウンドに合わせ、MF駒井へ左足でワンタッチパス。11分には柔らかなタッチのクロスを上げた。最後の見せ場は19分のFK。左サイドからゴール前へと送ったボールはクリアされたが、得点の期待を抱かせた。

 日本が初出場した1998年W杯で18歳ながら出場。ピッチを退く際には浦和の選手も並んで花道をつくり、サポーターの温かい拍手に包まれた。

 セレモニーでは、10月17日に母が他界していたことを明かした。「僕を産んでくれて、この素晴らしいサッカーというものに出会わせてくれて、ありがとうございました」と言葉を詰まらせる場面も。そして、動画メッセージでは元オランダ代表のファンペルシーが登場。同国のフェイエノールト時代のチームメートから「伸二のリフティングの技やテクニックはすごかった。私のロールモデルだった」と称賛された。

 世界も魅了し続けた天才MF。「これからも楽しんでサッカーを続ける」と、第二の人生へ歩み出した。

 ◆小野伸二(おの・しんじ)1979年9月27日、静岡県沼津市出身。98年に静岡・清水商高(現清水桜が丘高)から浦和入り。日本代表でW杯は3大会出場した。98年フランス大会の18歳での出場は日本の最年少記録。99年に世界ユース選手権(現U-20W杯)準優勝。フェイエノールト(オランダ)で01~02年シーズンに日本人で初めて欧州連盟カップ(現欧州リーグ)を制した。ドイツやオーストラリア、Jリーグでは清水、琉球でもプレー。175センチ、75キロ。

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