J1川崎内定の静岡学園・神田 バースデー2発 ド派手5カ月ぶり復帰戦「気持ち良かった」
「全国高校サッカー選手権・1回戦、静岡学園6-0明徳義塾」(29日、浦和駒場スタジアム)
1回戦15試合が行われ、静岡学園は明徳義塾(高知)に6-0で大勝。J1川崎入りが内定しているFW神田奏真(3年)が18歳の誕生日を自ら祝う2発で貢献した。神戸弘陵(兵庫)はFW北藤朔(3年)の2発などで仙台育英(宮城)に快勝。市船橋(千葉)は高川学園(山口)に4-1で勝利した。初出場の名古屋(愛知)は日章学園(宮崎)とのPK戦を制し、前橋育英(群馬)、東海大大阪仰星なども勝ち上がった。前回覇者の岡山学芸館や2大会ぶりの優勝を狙う青森山田は31日の2回戦から登場する。
復活を告げるエースの一撃が勝利を決定付けた。2点リードの後半10分。DF野田の右からのクロスに神田が「3点目を決めたら相手も心が折れるかなと思った」と頭で合わせ、試合の主導権を握る3点目を奪った。
さらにその3分後には、再び右サイドをドリブルで駆け上がった野田のクロスを、ヘディングでゴールにたたき込む。2得点を挙げて後半20分にベンチへと下がった。
9月に両足甲の手術を受け、これが5カ月ぶりの公式戦。だが、試合前のヘディング練習で「今日はいける」と好感触を得たという。天性の得点感覚、そして県予選に出場できず「全国に連れて行ってくれたから(手術をして)良かったと思える。チームメートに感謝したい」という仲間の支えに応える思いが生んだゴールだった。
この日は18歳の誕生日。久しぶりの得点が初のバースデーゴールとなり「気持ち良かった。特別な日になった」と笑顔も見せた。
4年ぶりの日本一へチームも好発進。体力面に課題を抱えるも「次の試合でも、最低2点以上は取りたい」と意気込む。来季はJ1川崎へ加入が決まっている神田。日本一の称号を得てのプロ入りを目指し、エースは貪欲にゴールを狙い続ける。
◆神田奏真(かんだ・そうま)2005年12月29日、大阪市出身。18歳。大阪東淀川FCジュニア、大阪東淀川ジュニアユースを経て静岡学園へ進学。今年8月のSBS杯ではU-18日本代表にも選出された。178センチ、72キロ。利き足は右。