森保監督の誓い 2024年は勝ち続ける 「全勝したいというのはある」「全部勝つために戦っている」
サッカー日本代表の森保一監督(55)が、報道陣の合同インタビューに応じた。2022年のカタールW杯で16強入りを果たし、日本史上初となるW杯後の監督続投で26年北中米W杯での優勝を目指す森保ジャパン。世界の強国を相手に強さを示した23年を経て、今月開幕のアジアカップ(カタール)を皮切りにW杯予選を戦う24年へ、指揮官が熱い思いを語った。
-2024年はアジア杯にW杯予選もある。どんな1年にしたいか。
「やはり結果を出せる1年にしたい。アジア杯があって(W杯)2次予選、最終予選へ突入していく。そこで結果を出し続けることは大切になると思う」
-前回のアジア杯は準優勝。どういう難しさがあったのか。
「一つあるとすれば試合に臨む準備が足りなかったかなと。準備していたつもりでも選手に届いていないところがあった。より完璧な準備をしないといけないと思う」
(続けて)
「W杯で勝つためにも、押されている状況でも我慢強く戦っていくことと、相手が引いた状態の中でも崩して勝っていくこと。いろんなオプションを身につけることが大切だと思う」
-前回は世代交代の転換期だったが、今回はメンバーもある程度固定できるのでは。
「ただ、長いスパンでチーム作りができることはメリットがあるが、マンネリ化や競争力が落ちるデメリットになってはいけない。これからもっと若い選手たちが出てくるし、年々最強チームになっていく。ずっと進化し続ける日本代表がいると思っている」
-ターンオーバー(試合ごとに先発を入れ替える)を用いて勝てているのは選手層が厚くなった結果か。
「カタールW杯までの一番の成果は『トップオブトップの選手を出せ』と言われなくなったこと。W杯も最初のころはターンオーバーで選手を変えると(批判的に)言われた。それが最後の方には言われなくなり、昨年9月(欧州遠征)は全くその言葉がなくなった。2チーム(が編成)できてよかったね、と。その人しかいないチームを作るのではなく、日本代表として常に戦力が落ちないようにするのも大切なので」
-W杯優勝の目標も大事な要素。
「欧州のトップでやっている選手たちは、すごくケガのリスクが高まると思う。ただ選手には、そこをタフに戦える力をつけてもらいたいなと。W杯は普段の2倍ぐらいの強度がある中、おそらく決勝まで行こうと思えば、何度か120分を戦うことも想定しなければいけない。タフな環境で戦っていける自信と層の厚さが絶対に必要だと思うので」
-昨年のW杯2次予選のアウェー・シリア戦はテレビ放送がないことで話題になった。
「サッカーがテレビ放映されるということは大きな意義があると思う。ただ、シリア戦は放送がなくて残念な思いだったが、おそらく法外な放映権料を要求されて、屈しない姿勢を見させていただいた。何でも(要求を)のむのではなく、やはり基準があってダメなものはダメなんだと示してくれたことは誇りに思う」
-今年、個人的に達成したいことは。
「私自身の個の成長。選手の成長速度はすごく速い。自分自身の成長が止まった時にはチームに置いていかれて存在価値がなくなるので」
(続けて)
「(明石家)さんまさんが、これからの目標を現状維持と言われていた。これ以上ない努力をして結果も出して全力疾走している…という意味だと思う。現状維持と言えるように常に上を走って何かを与えていけることを目指していかないといけない。でもタイプ的に、後ろから行く感じなのでね(笑)」
-今年1年を漢字一文字で表すと。
「『勝』かな。全勝したいというのはある。チームの戦術であったり人であったりを試したいのはあるけど、全部勝つために戦っているので」
-勝つことでファンへ伝えたいことは。
「僕は元気と勇気と根気、それを活力とくくっているけど、その活力につなげていただければなと。いろんなストレスを抱えて日常生活をしている方が多いと思うので、サッカーを見ているときは心を解放して喜怒哀楽を爆発させてもらいたい」