被災地・石川代表の星稜 魂の一時同点ゴール 地震で応援団来られず→急きょ日大藤沢ら友情応援

 敗れて肩を落とす星稜イレブン
 試合前に横断幕を掲げる星稜応援席
 黄色いビニール袋で星稜ユニホームを作る日大藤沢イレブン(撮影・堀内翔)
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 「全国高校サッカー選手権・3回戦、市船橋4-1星稜」(2日、柏の葉公園総合競技場)

 8試合が行われ、8強が出そろった。能登半島地震で大きな被害が出ている石川県代表の星稜は、優勝5度の市船橋(千葉)に1-4で敗れた。富山第一(富山)は佐賀東(佐賀)に1-5で負けた。青森山田(青森)は7-0で広島国際学院(広島)に大勝。神村学園(鹿児島)は神戸弘陵(兵庫)に2-1で競り勝った。準々決勝の名古屋(愛知)-市船橋、青森山田-昌平(埼玉)、神村学園-近江(滋賀)、堀越(東京A)-佐賀東(佐賀)は4日に行われる。

 被災した地元の人々へ懸命のプレーを届けた。「なかなか切り替えられない子もいるかもしれないが、切り替えよう、サッカーに集中しようと話して臨んだ」と河合伸幸監督。優勝候補の市船橋に先制を許す苦しい展開で、一番の盛り上がりを見せたのは前半29分だ。

 MF天川達心(3年)の左サイドからのクロスに飛び込んだMF山口晴(2年)が「絶対に決めてやろうという気持ちだった」と懸命に伸ばした右足で押し込み、同点ゴールを決めた。

 前日の能登半島地震の影響で地元から応援団が会場に来られなかった。関東在住の星稜OBがSNSへ応援を募る投稿をしたところ、2回戦で敗退した日大藤沢のサッカー部が反応。約50人が集まり、同校の佐藤監督は神奈川・茅ケ崎市の黄色のごみ袋で作った星稜カラーの“ユニホーム”を用意。岡山学芸館らの部員も加わった応援団は、対戦相手の市立船橋から提供されたメガホンを手に、同点弾にわいた。

 山口は「めっちゃ声も届いてやる気も出た」と感謝。その後は突き放されて敗戦も河合監督は「いろいろな方の応援があったから、ウチらしいことができた」と話す。最後まで相手ゴールに迫る姿に送られた温かい拍手。寒さなど厳しさを増す被災地へ、星稜イレブンが勇気の火を灯した。

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