青森山田 GK鈴木守り抜いた 2大会ぶり4度目Vへ 正木監督「決勝は最高のパフォーマンスを」
「全国高校サッカー選手権・準決勝、青森山田1(4PK2)1市船橋」(6日、国立競技場)
近江(滋賀)が堀越(東京A)から前半に3点を奪い、3-1で快勝した。青森山田(青森)は、市船橋(千葉)と1-1で突入したPK戦を4-2で制した。初優勝をかける近江は、滋賀県勢として野洲以来18大会ぶりの頂点に挑み、青森山田は2大会ぶり4度目の制覇を狙う。決勝は8日午後2時5分から国立競技場で行われる。
優勝経験校同士の息詰まる名門対決を、青森山田が制した。90分では決着がつかず、もつれ込んだPK戦。正木昌宣監督(42)が「PK戦に関しては絶対的に信頼している」というGK鈴木将永(3年)が、2つのファインセーブで勝利をたぐり寄せた。
前半10分にDF小泉佳絃(3年)のヘディング弾で先制した。その後は守勢に入り、後半34分に同点とされた。終了のホイッスルの後に、守護神の大仕事の時間がやってきた。ただ、止めなければ勝てないという重圧にも、鈴木の心の内に焦りはなかった。
ゴール内で座り込みながら心を落ち着けると「冷静に入れた」。拳同士を2度合わせるルーティンで気合を入れ直し、1人目から右の横っ跳びでセーブ。さらに、3-2で迎えた4人目も左に跳んではじき返した。
得意のセットプレーや高い守備力で、2大会ぶり4度目の全国制覇を目前とした。正木監督は、J1町田を率いる黒田剛前監督(53)からバトンを引き継いで2年目。指揮官は「あの舞台に立てるのは2チームしかない。決勝は最高のパフォーマンスを出せるように」と名門の誇りを守るべく、頂点を見据えた。