43歳・遠藤ついに引退 さらば稀代のゲームメーカー 古巣G大阪でコーチ就任

 10年W杯南ア大会デンマーク戦で直接FKを決める(共同)
 G大阪・遠藤保仁がPKを決める
 磐田時代の遠藤。左は神戸・イニエスタ=22年5月
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 サッカーのJ1磐田は9日、日本代表として国際Aマッチ152試合出場の歴代最多記録を持つMF遠藤保仁(43)が2023年シーズン限りで現役を引退すると発表した。24年シーズンから古巣のG大阪でトップチームコーチに就任する。希代の司令塔は26年間の現役生活を振り返り、「ここまで長くやるとは思っていなかった」とサポーターや関係者、家族への感謝を口にした。

 類いまれなパスセンスで日本サッカー界に一時代を築いたレジェンドが現役引退を決断した。「26年間という本当に長い、充実した最高のサッカー人生を送れた。自分がここまで長くやるとは全く思っていなかった。皆様のサポート、応援のお陰だと思っています」。遠藤は所属するマネジメント事務所の公式YouTubeで周囲への感謝を口にした。

 鹿児島実から98年に横浜F入りし、京都を経て、01年からG大阪で司令塔に君臨。05、14年のJ1優勝や08年のアジア・チャンピオンズリーグ制覇に導いた。20年途中から磐田に移籍し、昨季はJ2で21試合に出場した。

 日本代表では06年ドイツ大会からW杯に3大会連続でメンバー入り。10年南アフリカ大会では1次リーグ・デンマーク戦で直接FKを決めるなど、ベスト16入りに貢献した。

 J1で672試合出場、日本代表で国際Aマッチ152試合出場はいずれも歴代最多。一撃必殺のスルーパスや、GKの動きを冷静に見極めて蹴り込む「コロコロPK」など、高い技術と戦術眼で見る者の心を揺さぶった。記録にも記憶にも残る名手であった。

 今後はG大阪のトップチームコーチとして後進の育成に励む。「『日々楽しく』というのが僕のモットー。その気持ちを忘れずに一人でもいい選手を多く生み出していきたい」と決意を込めた。

 「まじめに語るのも僕らしくない。オフをとことん満喫したいのもある」とあえて引退会見は開かなかった。「長い間、声援、ブーイング、ヤジ、すべてありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。バイバイ!」。希代のゲームメーカーは最後まで自分らしさを貫き、ピッチを去った。

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