J1神戸連覇へ 目標は全タイトル制覇 吉田監督「常に謙虚に」 元日本代表井手口ら補強、競争で底上げ!
リーグ連覇を狙うJ1神戸が10日、神戸市西区のいぶきの森球技場で始動した。セルティックから完全移籍で加入した元日本代表MF井手口陽介(27)ら10人の新戦力を迎え、新たな歴史に挑む。吉田孝行監督(46)はチーム内競争をポイントに「自分たちは王者ではなく、常に謙虚で試合に臨む」と、追われる立場となる1年へ表情を引き締めた。
つかの間のオフを終えた神戸の選手たちは早くもシーズンへ切り替えて、練習をスタートさせた。アップやボール回しなど2時間。活気に満ちて体を動かす姿を、吉田監督は自信をもって見つめた。
就任3年目となるシーズンへ「チーム内の競争」という言葉を繰り返した。これまでビッグネームの外国人選手を多数獲得してきた神戸だが、吉田監督は今季の補強を「1ポジションに2人以上いないと紅白戦もできないし、ポジションの競争になるようにしてほしい」とクラブに要望。井手口や筑波大から加入したGK高山汐生(22)ら、年代と実力・実績を見極めて編成した。「選手の能力もあるし、それが競争になるように。非常にいいメンバーがそろった」と、さらなる底上げへ手応えを明かした。
前年覇者として迎えるシーズン。「対戦相手も見方が変わってくる。自分たちは王者だと考えると気の緩みが出る。常に謙虚に」とフラットな構えを強調しつつ、「すべてのタイトルを取るのが目標」と連覇への意気込みも示した。昨年はMF山口蛍(33)が主将を務めたが、今年に関しては現在未定。切磋琢磨(せっさたくま)の中でリーダーを決める。
前日9日には、現役時代の1998年に横浜Fで同僚だった元日本代表MF遠藤保仁氏(43)が引退とG大阪コーチ就任を発表した。「ルーキーの時からうまかったし賢かった。一緒にやれたのは誇り」とねぎらい「どういうコーチになるだろう」と、指導者の立場で戦うことに期待を膨らませた。自らも選手たちも挑戦となる1年が始まった。