森保Jは2大会ぶり8強終戦 難敵イランに終了間際PK決められ逆転負け 選手呆然 冨安「熱量感じなかった」 先制も後半は防戦一方 伊東純也離脱ショック拭いきれず
「アジア杯・準々決勝、日本代表1-2イラン代表」(3日、アルラヤン)
3大会ぶり5度目の優勝を狙った日本だったが、難敵イランの前に散った。日本が前半に守田のゴールで先制も、後半に追いつかれ1-1の試合終了間際にPKで勝ち越し点を奪われて敗れた。2大会ぶりに8強での終戦となった。
FIFAランク21位の難敵・イランとベスト4をかけた一戦。お互い体をぶつけ合うガチンコ勝負は両者譲らなかった。
日本は前半28分、左サイドから中央の上田にパスを出した守田が、そのまま駆け上がりボールを受け取って中央へ。ペナルティーエリアまで持ち込み、右足を振り抜くと、ボールは相手GKの右足に当たり、そのままゴールへ吸い込まれた。
MF伊東の離脱に加え、MF旗手が右ふくらはぎ肉離れと診断。チームに暗雲が漂うも森保監督は前日会見で「誰かがいなくなったら機能しないというチーム作りはしていない。全く心配はしていません」と強調していた。その言葉どおり、旗手に代わって出場した守田が先制弾。今大会初スタメンとなったFW前田は何度もボールをカットし、献身的な守備が光った。日本は前半を1-0で折り返した。
このまま逃げ切りたかったが後半10分、FWアズムンのパスに抜け出したFWモヘビにゴールを決められ同点。1次リーグから5試合連続失点となった。さらに18分、ロングパスに抜け出したアズムンにゴールネットを揺らされるも、オフサイドディレイの適用でノーゴールに。その後もイランの猛攻をしのぐ我慢の時間が続いた。
しかし、延長も覚悟の後半終了間際にゴール前でDF板倉が相手を倒してしまい、PKの判定。これを冷静に決められた。
直前に性加害報道により、主力の伊東純也が代表を離脱。最後までともに戦うことを臨んだチームにとって、是が非でも勝ちたい試合だったが、これまで対戦成績が五分だった難敵に前に沈んだ。
試合後、選手たちは呆然とピッチに立ち尽くした。チームをけん引してきたMF遠藤は「今日に関してはイランの方が上だった。アジアの戦いは難しいと改めて思い知らされた」と完敗を認め、先制弾の守田はPKの場面に「ああいう事故のような失点は今日のような試合で起こる可能性はあった。こういう難しい試合でボランチとしてゲームをもっとコントロールする力が必要になるかなと思う。自分の責任だと思う」と、振り返った。
冨安も「チャンスがあった中で決めきれず、そこから完全に相手に流れが渡った。よくない時の日本というか。ちょっとよくない時間帯に、シンプルにボールを失うとか、淡泊なプレーになっていた。すべてが足りなかったんだと思う。まだまだ足りない。熱量だったり、ピッチ上での振る舞い含めてもっと戦わないといけない。熱量の部分は今日の後半は特に感じることはできなかった。今日の負けがあったから強くなったといえるようにならないといけない」と、厳しい表情で振り返った。
◆日本のアジアカップ成績92年 優勝
96年 ベスト8
00年 優勝
04年 優勝
07年 ベスト4
11年 優勝
15年 ベスト8
19年 準優勝
24年 ベスト8