神戸MF井手口陽介 もう一度日本代表へ「強い気持ち」 目標は「積極性」セルティックから完全移籍
Jリーグは23日に開幕し、昨季J1を初制覇した神戸は24日の磐田戦(ヤマハ)で初戦を迎える。昨季からの上積みを目指す上で欠かせない新戦力のインタビューを3回にわたり紹介する。2回目はスコットランド・プレミアリーグのセルティックから完全移籍で加入した元日本代表MF井手口陽介(27)。プロ10年の実績を新天地で生かし、連覇への重要なピースを担う。昨年の福岡への期限付き移籍を経て、G大阪でプロのキャリアをスタートさせた関西に戻ってきた。即戦力としてチームに貢献し、日本代表復帰も虎視眈々(たんたん)と狙う。
心強いメンバーが中核を守る。井手口は7日に行われた米プロリーグMLS、マイアミとのプレシーズンマッチでも積極的なプレーで存在感を誇示。自身のアピールポイントと今季の目標に「積極性」を挙げた。
「守備でボールを奪うところやハードワークするところ。それにプラスして、もっと前に絡んでいってゴールに絡めるように出していきたい」
10年のキャリアを通してスペイン、ドイツ、スコットランドと海外のリーグも経験。MFとして周りを見ることができるようになったことが大きな収穫だと感じている。
「今までならボールを奪いにいっていたところも、ここでいったら穴が開いちゃうなとか、考えながら守備ができるようになった。そこが一番変わった」
井手口にとって昨年在籍した福岡は地元のクラブ。ルヴァン杯初優勝に貢献し、安定を取れば福岡に残る選択肢もある中で神戸からのオファーを受けた。あえて自らを厳しい状況に置き、成長を目指す。
「選手として成長したいと思う中で、毎日競争することで伸びる部分はあると思う。名前もあってレベルの高い選手たちが大勢いて、そういう選手たちから少しでも吸収したいと思った」
大迫勇也、武藤嘉紀ら元日本代表FWとのコンビネーションも見どころの一つで、自身も楽しみにしているという。
「動いたところに、入ったところに走っていけば使ってくれるということもあるし、サコ(大迫)君だけじゃなく、みんなよく周りを見ているなと感じる」
そして成長の先には、もう一度日本代表という気持ちも持ち続けている。
「セルティックから福岡に(期限付き)移籍した時も、代表に入りたいという思いで帰ってきた。そこは継続して強い気持ちがある」
まだまだ進化の途上。171センチ、71キロの小柄な体で見せるタフなプレーは、若手とベテラン双方に刺激を与えている。
◆井手口陽介(いでぐち・ようすけ)1996年8月23日、福岡市出身。ジュニアユースからG大阪の下部組織で育ち、14年にトップ昇格。18年1月にイングランド2部・リーズに移籍し、同年スペイン2部・クルトゥラル・レオネサ、ドイツ2部・フュルトにいずれも期限付きで移籍した。19年夏にG大阪復帰。22年にスコットランドのセルティックへ完全移籍し、23年は期限付き移籍で福岡へ。24年、神戸に完全移籍。国際Aマッチ15試合で2得点。ポジションはMF。171センチ、71キロ。