横浜Mが国立快幕! J元年と同じ“伝統の一戦”を同じスコアで劇的逆転星 5万3千人サポーター熱狂

 後半、勝ち越しゴールを決める横浜M・松原健(中央)=撮影・棚橋慶太
 後半、勝ち越しゴールを決め歓喜する横浜M・松原健(右)=撮影・棚橋慶太
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 「明治安田J1、東京V1-2横浜M」(25日、国立競技場)

 Jリーグが始まった1993年5月15日の開幕戦と同じカードで、横浜Mが東京Vに2-1で逆転勝ちした。東京Vは前半7分、MF山田楓喜が先制。横浜Mは後半44分にFWアンデルソンロペスがPKを決め、ロスタイムにDF松原健が決勝ゴール。31年前と同じく横浜Mが後半に2得点し、同スコアで白星スタートを切った。京都は柏と1-1で引き分けた。

 歴史は再び繰り返された。31年前のJリーグ開幕カードの再現となった開幕戦。1-1の同点でロスタイムに入った後半48分だ。エリア内右でパスを受けた松原が左足を振り抜くと、ボールがゴールに吸い込まれていく。93年生まれの松原の劇的な決勝点で横浜Mが熱戦を制した。

 「最後まで何が起こるか分からないのがサッカー。そこで諦めない気持ちが出ていたのが僕らの方だった」。苦しい展開で生まれた一撃に、松原は喜びをそう表現した。

 試合開始7分で先制点を奪われると、東京Vに主導権を握られたまま推移。後半は好機をつくりながらも得点が奪えない。だが、敗戦の空気が漂い始めた後半44分にPKをアンデルソンロペスが決めて同点とし、直後に松原の劇的弾。わずか4分間で試合をひっくり返してみせた。

 松原は14日のACL・バンコク(タイ)戦で危険なタックルを犯して一発退場。これが出直しを図る一戦だった。「プレーをするチャンスを与えられたので、そこで結果を出すしかない」と強い決意がチームを勝利へ導く得点につながった。

 93年の開幕戦でもV川崎(当時)が前半に先制し、後半に横浜Mが逆転して2-1の勝利。くしくも、展開とスコアが全く同じ結果となった。

 31年前の開幕戦に出場した父・貴史氏と同じく、この日のスタメン出場を果たしたFW水沼は「父が最初に出ていたというのは僕自身もうれしいし、その中で勝てたのは良かった」と話す。

 そして「30年後にJリーグが世界に誇れるリーグになっていく歴史の一部になれたんじゃないかと思う」とも。5万3026人の観衆を熱くさせた戦いが、新たな伝統の一戦の始まりを告げていた。

 ◆横浜M-V川崎(1993年5月15日、国立)VTR Jリーグ開幕戦として5万9626人を集めて行われた。横浜MはMF木村、水沼、GK松永、DF井原らが、V川崎はFW三浦、武田、MFラモス、柱谷らが先発した。V川崎は前半19分、FWマイヤーが左サイドのペナルティーエリア外からシュートを放ち、Jリーグ第1号のゴールを挙げた。横浜Mは後半3分、木村のショートコーナーからMFエバートンが同点弾。同14分には水沼のシュートのこぼれ球をFWディアスが左足で押し込み、2-1で逆転勝ちした。

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