大栄環境にINAC譲渡 クラブ、チーム名本拠地変わらず
女子サッカー・WEリーグのINAC神戸を運営するアイナックフットボール株式会社は26日、株式がアスコグループ株式会社から大栄環境株式会社に100%譲渡され、連結子会社とする契約が締結されたと発表した。クラブ名、チーム名や本拠地は変わらず、ジョルディ・フェロン監督(45)や選手、スタッフもそのまま在籍。今季に関してはユニホームの変更もない。
1月の皇后杯で7度目の優勝を果たし、現在もWEリーグ首位を走る名門クラブが、シーズン途中に経営権の譲渡という異例の発表を行った。経済面、経営面両方の拡大を狙った前向きなオーナー変更だとした。
2001年の発足時から経営権を握ってきたアスコグループの文弘宣会長は「INACを創設して23年。20年間は絶対つぶさない、20年たてばより資本力のある会社に引き継ぎ発展させるという考えだった」と説明。自身の健康問題もあり、19年ごろから譲渡先を探していた。他にも候補は数社あったが、本拠地を移転しないことを条件に大栄環境に決めたという。
神戸市に本部を置く大栄環境の金子文雄社長は「地域貢献、認知度も上げることにつながる」と説明したが、チーム名の変更は否定。「アイナックフットボールクラブという名前を将来的にも続けたい」と話した。
企業の決算などの理由でこの時期の譲渡となったが、日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)も同日の理事会で変更を承認。五輪最終予選に挑む日本代表に招集中の田中美南、山下杏也加、北川ひかるら所属選手にも通知したという。