なでしこジャパン パリ五輪出場が決定 北朝鮮との死闘を1点差で制す 主将の熊谷は涙 山下の神セーブが光る
「女子パリ五輪アジア最終予選、日本代表2-1北朝鮮代表」(28日、国立競技場)
なでしこジャパンが北朝鮮を下し、今夏のパリ五輪出場を決めた。
中立地のサウジアラビア・ジッダで開催されたアウェーでの第1戦はスコアレスドロー。この第2戦に勝った方が五輪切符を手にする試合は開始から膠着(こうちゃく)状態が続く中、前半26分にFW田中美が頭で合わせたシュートがクロスバーをたたくと、こぼれ球をDF高橋が左足で押し込んで先制点を奪った。
その後は北朝鮮が猛攻を仕掛けるが、前半44分には北朝鮮のシュートを、リオ五輪予選敗退を経験したGK山下がゴールラインを割る前に右手でかき出すファインセーブ。相手に得点を許さない。北朝鮮選手は猛抗議も、判定は覆らず。
そして後半31分にはDF清水が相手を股抜きでかわして右サイドからクロスを上げると、これをFW藤野がヘディングでたたき込んで追加点。北朝鮮に1点を返され、アディショナルタイムは5分と緊迫した時間が続いたが、リードを守ってなでしこが勝利。パリ五輪への切符を獲得した。
終了直後、主将の熊谷は涙を流しながら選手達と抱擁。歓喜のシーンとなった。池田監督は「本当に選手たちがタフに戦ってくれた」と目を細め、3バックで臨んだことには「きょう勝利することが大事だったので前線に選手を多くしたかった」と説明した。
第1戦の開催がなかなか決まらなかったが「タフな環境で勝ちきったことは選手たちを成長させてくれます」と語り、「パリでは一番いい色のメダルを目指して戦っていきます」と力を込めた。