大岩ジャパン国内組中心でパリ切符つかむ 出場枠「3・5」過酷な闘い覚悟も「今のJ1はレベルが高い」

 日本サッカー協会は15日、都内で会見を開き、国際親善試合のマリ戦、ウクライナ戦のU-23(23歳以下)日本代表メンバー26人を発表した。4月16日から始まるパリ五輪アジア最終予選で、欧州組の招集が困難と見込まれていることも影響し海外組は5人。MF松木玖生、FW細谷真大ら国内組中心の選出となった。大岩剛監督(51)は、パリ五輪への切符をかけた最終調整に意気込みを語り、チームの活性化に期待した。

 パリ五輪出場枠「3・5」をかけた決戦まであと約1カ月。指揮官の前に立ちはだかるハードルは多く、頭を悩ませる日々が続いている。アジア最終予選が行われる4月は、国際試合期間外で招集に拘束力がないため、欧州組の一部選手の招集が難航。大岩監督は「非常にデリケートな問題」とし、今回の選考にも影響した形だ。

 A代表でプレーするMF久保建英(レアル・ソシエダード)、GK鈴木彩艶(シントトロイデン)についても「ゼロとは言いませんが、クラブとの話し合いの中では厳しい」とし、最終予選ではベスト布陣が組めないことが濃厚となっている。

 山本昌邦ナショナルチームダイレクターは「96年のアトランタ五輪以来、本当に難しい過酷な予選になる」と強調。MF前園真聖、FW城彰二、GK川口能活を擁し、準決勝のサウジアラビア代表との死闘を制して28年ぶりの五輪切符をつかんだ戦いを引き合いに「危機感しかありません」と状況の深刻さを表した。

 それでも、大岩監督は「今のJ1は非常にレベルが高い」と、国内組への信頼を口にした。開幕3戦で3得点のFW荒木(FC東京)、複数ポジションをこなしている田中聡(湘南)ら好調な選手を招集。2試合で全26人を起用する予定で、競争によってチーム力の底上げを図る。「チームとして大きくなっていくことを期待したい」。若き侍ブルー26人の活躍で、指揮官へうれしい悩みを増やしたいところだ。

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