「パリ五輪アジア最終予選兼Ｕ２３アジア・カップ・１次リーグ、日本代表１－０中国代表」（１６日、ドーハ）

　８大会連続の五輪出場を目指す１次リーグＢ組の日本は中国に１－０で競り勝ち、白星発進した。日本はＭＦ松木玖生（くりゅう、２０）＝ＦＣ東京＝のゴールで前半早々に先制。同１５分過ぎにＤＦ西尾隆矢（２２）＝Ｃ大阪＝が退場となったが、反撃に耐えて逃げ切った。日本は勝ち点３、中国は０。１次リーグは１６チームが４組に分かれ、各組２位までが準々決勝に進む。日本は次戦でアラブ首長国連邦（ＵＡＥ）、第３戦で韓国と当たる。大会３位までが五輪に出場し、４位はアフリカのギニアとのプレーオフに回る。

　パリ行きの切符を目指す日本にとって重要な初戦。前半１７分に退場者を出す波乱の幕開けも、何とか１０人で１点を守り切った。大岩監督は「アクシデントを想定したとはいえ、なかなか厳しい試合になった。これを次に生かしたい」と反省。苦しみながら勝ち点３を手にした。

　前半８分に松木のゴールで幸先よく先制。いい流れを作ったと思った矢先に、試練が待っていた。同１７分、プレーと離れた位置で西尾が相手選手と接触。一度流れたが、ＶＡＲの介入後、西尾の左肘が相手選手の頭部に接触したことが確認され、まさかの一発レッド。試合前、大岩監督は「初戦だからいろんなことが起こりうる」と話していた予感が的中。早い時間帯から数的不利を強いられた。

　指揮官の決断は早かった。２２分に副主将でチームの中心でもあるＭＦ山本に代えてＤＦ木村を投入。守備を優先する中、徐々に攻め込まれる展開が増えたものの、ＧＫ小久保が好セーブを連発し、再三のピンチを防ぐ。最後まで集中力を切らさず、１０人全員で耐え抜いた。

　パリへの道が険しいことを思い知らされた一戦。ただ、逆境を乗り越えた経験はチームを強くさせたはずだ。次戦は中２日でＵＡＥ戦が控える。「回復と分析をして２３人全員で向かいたい」。何が起きても一戦一戦を勝ち抜くのみだ。