U23日本4強 五輪王手 延長戦で開催国カタール撃破 エース細谷真大がお目覚めV弾「価値を証明」
「パリ五輪アジア最終予選兼U23アジア・カップ・1次リーグ、日本代表4-2カタール代表」(25日、ドーハ)
準々決勝2試合が行われ、日本はカタールを延長の末に4-2で下し、8大会連続の五輪出場にあと1勝と迫った。日本は前半早々に山田楓喜(東京V)が先制。その後に追い付かれ、退場者を出したカタールに一時逆転されたが、後半22分に木村誠二(鳥栖)の得点で2-2とした。延長で細谷真大(柏)が勝ち越し点を決め、内野航太郎(筑波大)が突き放した。韓国はインドネシアと2-2で延長を終え、PK戦の末10-11で敗れ、五輪出場が9大会連続で途切れた。大会3位までが五輪に出場し、4位はギニアとのプレーオフに回る。
ついに日本のエースストライカーが目覚めた。2-2の延長前半10分に勝ち越し点を奪ったのは、ゴールから遠ざかっていた細谷だ。五輪にあと1勝と迫る4強へ導き「今日、決めなかったら自分の価値は下がると思った。価値を証明できた」と会心の一撃を喜んだ。
交代を準備する控えFW内野航が視界に入っていた。「ここで終わったら、サッカー人生、終わる」との覚悟を決めた。藤田の縦パスを受けて反転した荒木から、わずかに外へ膨らんでコースをつくった細谷の足元にラストパスがぴたりと来た。相手を背負いながら完璧なトラップ。右足シュートはGKの股下を抜けてネットを揺らした。
今年はJ1で7試合、フル代表3試合、U-23の5試合でノーゴール。これだけ得点がないのは「高1、2年以来」だったが、ようやく長かったトンネルを抜けた。
普段はゴール後に派手には喜ばない。守備ラインぎりぎりからの抜け出しが多く「(映像検証での)オフサイドが怖くて」。ただ、この日は膝を折って芝の上を滑り、どうだと言わんばかりに両耳に手を当てた。「大アウェーの中で決めたのも、うれしかった」。パリへの切符獲得へ、点取り屋の復活は何よりも心強い。