Uー23サッカー日本代表パリ五輪への戦い 初戦中国戦で大岩監督が体現した「良い準備」とは
「パリ五輪アジア最終予選兼U23アジア・カップ・準決勝、日本代表2-0イラク代表」(29日、ドーハ)
男子のU-23(23歳以下)日本代表が、8大会連続12度目の五輪出場を決めた。準決勝でイラク代表に2-0で勝って大会3位以上の条件をクリアし、1996年アトランタ五輪から途切れることなく本大会への出場権を獲得した。日本は前半に細谷真大(柏)が先制ゴールを決め、荒木遼太郎(FC東京)が加点。守備でも集中力を保って無失点でしのぎ、予選を突破した。3日(日本時間4日未明)の決勝でウズベキスタン代表と対戦する。
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「備えあれば憂いなし」-。大岩監督はこの言葉を体現したような人物だと感じた。
パリ五輪への戦いに向けて、2月に設けられた囲み取材でのことだ。記者からの質問に一つ一つ丁寧に答える中、「良い準備をする」という回答を何度も口にした。その数は約1時間で11回にも及び、カタールのスタジアムで冷房が作動しない場合、10分を超える追加タイムなど、さまざまケースを想定していた。
その言葉通りに実行したのが、1次リーグ初戦の中国戦だ。前日会見では、どの質問にも多くを語らず「良い準備ができている」と繰り返し強調。表情と口調から確固たる自信を感じさせた。
その中国戦では、前半17分にDF西尾がレッドカードで一発退場。まさかの展開となったが「アクシデントは想定していた」と焦ることなく、数的不利の状況でも勝ち切った。結果的に万全の準備を証明することとなった一戦は、今大会のハイライトといっても過言ではないと思った。(デイリースポーツ・松田和城)