サッカー日本代表3バックと4バックを試みて快勝 オプションを増やせたことが良かった 福西崇史氏が分析
「W杯アジア2次予選、日本代表5-0シリア代表」(11日、エディオンピースウイング広島)
B組最終戦で、日本はシリアに5-0で快勝し、6戦全勝とした。既にB組1位で最終予選進出を決めていた日本は上田綺世(フェイエノールト)、堂安律(フライブルク)の得点などにより3-0で折り返し、後半は相馬勇紀(カザピア)、南野拓実(モナコ)がゴール。圧勝した一戦を、2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表の福西崇史氏が分析した。
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いい試合だった。システムを変えたことで互いの距離感も変わってくる中、いろいろと試すことができた。GKの経験を積ませることもできた。相手を0点で締めたし、結果を出せて良かった。
上田の先制点は、合わせるタイミングがうまかった。ジャンプしてからの滞空時間や狙い澄ませる力も光っていて、ポジション取りも絶妙だった。
堂安の得点は、まずはあそこまで持っていくことがチームにとって狙い通り。相手を引き出し、久保に預けて、揺さぶった。堂安は外もありと見せながら、中にしぼって股を抜いた。すべてがうまくいったシーンだ。
南野のゴールもうまかった。得点もそうだが、前半から相手が嫌がる位置にしっかりいたことも見逃せない。キレもあったし、相手にとっては嫌な選手だ。
後半は4バックにしたが、互いの距離が離れた分、中距離のパスが増えてくる。そこはリズムが上がらなかった要因だが、守備を考えれば4バックの方が中盤のところはやりやすいと思う。
3バックだった前半は、攻撃に入る中距離的なカウンターで言えば、高い位置で外の起点ができた分、揺さぶりやすかったのではないか。3バックにすると、サイドの選手は高い位置が取れるので、中盤の選手がゴール前に入れる。
3バックや4バックは一つのオプションであり、相手や選手によってくる。相手がどうくるかは分からないし、鎌田が入ってボールをさばくリズムは良くなった。攻撃の時に縦パスが入ったり、人によって変わってくる。川村が入って2ボランチ的になったときもあったし、いろいろと試せた。どちらがというよりも、オプションを増やせたことが良かった。
アジア杯の敗戦があったことで、この試合も集中力があり、セットプレーでも気持ちが出ていた。個の能力は上がっているし、緊張感の中で選手層も厚くなっている。交代した選手が結果を残したことも、チームに非常にいい刺激を与える。
最終予選へ向けては、今のメンバーをベースにしつつ、変えていくだろう。多少なりとも変えていかないと、いなくなったときのことを想定する必要があるし、世界と戦うときには層を厚くしないといけない。試すことはしていった方がいい。(2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表=デイリースポーツ評論家)