57歳カズ JFL鈴鹿に期限付き加入「何とかしてゴールを挙げたい」「辞める選択というものは僕の中にない」

 日本フットボールリーグ(JFL)のアトレチコ鈴鹿は25日、サッカー元日本代表FWの三浦知良(57)が、保有権を持つJ2横浜FCから期限付き移籍での加入を発表した。背番号は「11」に決まり、契約期間は7月1日から2025年1月31日まで。東京・国立競技場で加入発表会見に臨んだカズは「辞める選択はなかった」と現役への熱い思いを語り、1年半ぶりの復帰となるJFLの舞台で、チームの勝利のためにゴールを挙げる意欲を示した。

 “キング”カズのピッチへ懸ける情熱が衰えることはない。「体の疲労は常に蓄積される。グラウンドに立った時に頭をリフレッシュさせた状態で、情熱を持って毎日立てるのか。それを自分に問いかけた」とカズ。そして「この状況で辞める選択というものは僕の中にない」と言い切った。

 自らの情熱を、どこで表現するのか。その上でカズが重要視したのは出場機会だ。23年2月にポルトガル2部のオリベイレンセへ期限付き移籍。22-23シーズンは出場3試合、23-24シーズンは出場5試合にとどまった。

 「出場時間は保証されたものではないが、可能性を考えた時に一番可能性が高いのが鈴鹿だった」と説明。「ポルトガルではゴールを挙げられなかったが、ゴールを挙げたい気持ちでトレーニングをした。その気持ちで鈴鹿でも、目の前の試合で1ゴールを挙げることを目標にやっていきたい」と強い意欲を示した。

 そのために「ベテランは周りをうまく使ってと思ってしまうが、自分で何とかしてゴールを挙げる。ベテランらしくないプレーができれば」と話す。再認識できたのはポルトガルでの経験だ。

 「35歳を過ぎた選手が1対1で勝負してゴールへ向かっていく。FWは常に前に向かって行くことが大事だと、ポルトガルのサッカーに触れて改めて思った」と出場機会に恵まれない中でも、大きな学びを得たという。

 7月2日から合流予定で、最短での試合出場は同14日のヴェルスパ大分戦(鈴鹿)となる。「毎日全力を尽くしたい。若い選手たちのエネルギーをもらい、若い選手たちと成長しながら前に進んでいけたら」。来季プロ40年目の“キング”は、あふれる情熱とともに、ただ前だけを見つめて走り続ける。

 ◆三浦知良(みうら・かずよし)1967年2月26日、静岡市出身。サントス(ブラジル)、ジェノア(イタリア)、クロアチア・ザグレブ(クロアチア)、読売クラブ、ヴェルディ川崎、京都、神戸などに在籍。93年にJリーグ初代MVP、95年には得点王に輝いた。J1は326試合出場139得点、J2は249試合出場24得点。2022年10月30日にJFL最年長となる55歳246日でゴールを決めた。日本代表では国際Aマッチ89試合55得点。177センチ、72キロ。

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