パリ五輪代表 16年ぶりOA枠ゼロ 大岩監督「招集できる最高の18人」松木玖生&鈴木彩艶が選外

 U-23日本代表に選出され、手を合わせる(左から)浦和・大畑歩夢、柏・関根大輝、柏・細谷真大、FC東京・野沢大志ブランドン、FC東京・荒木遼太郎、町田・平河悠=東京ミッドタウン(撮影・棚橋慶太)
 記者からの質問を聞くU-23日本代表・大岩監督(撮影・棚橋慶太)
 U-23日本代表に選出されてポーズを決める(左から)京都・川崎颯太、C大阪・西尾隆矢、G大阪・半田陸=ホテルニューオータニ大阪(撮影・北村雅宏)
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 日本サッカー協会は3日、都内で会見を開き、原則23歳以下で争うパリ五輪の男子日本代表18人とバックアップメンバー4人を発表した。調整を進めてきた24歳以上のオーバーエージ(OA)枠の選手は2008年北京大会以来、16年ぶりに選出されず。また、今夏移籍の影響で中心選手のMF松木玖生(くりゅう、21)=FC東京=やGK鈴木彩艶(ざいおん、21)=シントトロイデン=が選外となった。難しい選手選考の中、大岩剛監督(52)は「招集できる最高の18人を選んだ」と自信を示し、金メダル獲得へ意欲を示した。

 予想通りの苦しい選考となったパリ五輪代表。それでも、大岩監督は「いろいろな制限がある中で、招集できる最高の18人プラス4人のバックアップメンバーを選んだ。このメンバーで、しっかりパリ五輪を戦っていくのが今の率直な気持ち」と言葉に力を込めた。

 海外で活躍する選手が増える現状で、国際サッカー連盟の国際Aマッチ期間(IW)外の五輪では、クラブに代表派遣義務はない。すでにパリ世代でもクラブ側の意向で久保建英(レアル・ソシエダード)、鈴木唯人(ブレンビー)の招集を断念していた。

 16年ぶり招集ゼロのOA枠も、山本昌邦ナショナルチームダイレクター(ND)は「現場からの希望はあって1年以上かけて調整は続けてきた」と説明。だが、遠藤航(リバプール)らが候補に挙がるも招集には至らなかった。

 また、山本NDは「移籍が絡めばその(移籍)先のクラブの了承が、移籍先が決まらなければ交渉もできない状況で、先を見据えての交渉は困難を極めた」とし、世代の中心選手だった鈴木、そして松木も「移籍の可能性があり、確実に招集できる確約が取れなかった」と海外移籍を見据える中で断念する結果となった。

 その状況で、ギリギリまで練られた代表選考。大岩監督も「昨日スタッフ全員でミーティングをして最終の決定をした」と明かした。ただ、その難しさは指揮官も覚悟の上だ。「いろんな制限があるのが五輪代表の宿命で、IW外で活動する大きな壁。その都度招集できるのがU-23日本代表。難しさはあるが、それを力に変えて前に進んで行きたい」と意気込む。

 必ずしも悲観的な要素だけではない。山本NDは「日本サッカーの進化であり、成長であり、躍進のたまもの」と話し、招集の難しさは日本が世界レベルにある証し。今年1月からのU-23アジア杯では優勝を飾り、世代の結束、そしてチームの完成度の高さを結果で示してきた。

 見据えるは1968年メキシコ大会の銅メダル以来となる五輪メダル獲得、そして世界の頂点-。「必ずファイナルに進む。そして金メダルを奪うという目標の下、一歩ずつ階段を上がっていく」と大岩監督。日本サッカーの未来を担う世代が一丸で、悲願達成へと向かう。

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