【福西崇史氏の視点】ポテンシャル高く選手層も厚いサッカー男子日本代表 決勝トーナメント進出の可能性はかなり高まった
「パリ五輪・サッカー男子・1次リーグ、日本5-0パラグアイ」(24日、ボルドー競技場)
日本はD組初戦でパラグアイに5-0で大勝した。前半に三戸舜介(スパルタ)が先制点を決め、相手に退場者が出て優位に立った。後半には三戸、山本理仁(シントトロイデン)が追加点を奪い、藤尾翔太(町田)も2得点。日本の1試合5得点は五輪最多。同組のマリとイスラエルは1-1で引き分け、日本は次のマリ戦(日本時間28日)に勝つと突破が決まる。2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表でデイリースポーツ評論家の福西崇史氏は「決勝トーナメント進出の可能性はかなり高まった」と分析した。
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左サイドの崩しが得点につながったところもあり、相手にとって嫌な起点になった。三戸はいい場所にいたし、そもそも斉藤とのコンビネーションがいい。斉藤がボールを持てることで、三戸が前に出る時間ができた。特に大きかったのが三戸の1点目。細谷がブロックしていたから、ニアサイドをぶち抜くか、ファーサイドに狙って蹴るかの選択ができ、落ち着いてプレーできた。
藤尾の2得点は、彼の特徴でもある、がむしゃらに得点を取りに行く良さが出た。セットプレーで飛び込んだ4点目といい、裏を狙った5点目といい、持ち味を発揮した。得点以外でも、プレッシャーをかけたり、ボールをキープする場面で良さを出していた。途中出場した選手がこれだけ活躍すると、ほかの選手への刺激になる。
あとは山本と藤田の落ち着きも目を引いた。そして途中出場した西尾を左サイドバックで使ったのは、コンディションを上げることもそうだし、サイドの守備固めとして西尾を入れる可能性もあるから。1回試せたことは大きい。
このチームはポテンシャルが高い。選手層も厚い。斉藤や三戸を余裕を持たせながら交代させられたし、藤尾らが活躍できるのは選手層の厚みと言える。オーバーエージがいなくても、結束力がさらに高まる側面はある。一人一人がチームのために、という絆が生まれる。集中力や責任感を持って戦えるメリットがある。これで決勝トーナメントに進出する可能性は、かなり高まった。5点を取った自信もつく。ただ、これで大丈夫だ、と思わないこと。怖いのは油断。次のマリ戦も、この勢いで臨んでほしい。