J1町田に移籍の日本代表DF中山 「優勝は絶対のタスク」新天地で再出発へ気合 黒田監督17日磐田戦での起用を示唆

 イングランド2部リーグのハダースフィールドからJ1町田に完全移籍した日本代表DF中山雄太(27)が15日、非公開練習後に取材に応じ、自身、そしてクラブにとっても初めてとなるJ1優勝への強い思いを口にした。黒田剛監督(54)は「状況を見てから」としつつも、最短で次節の磐田戦(17日、Gスタ)での起用を示唆した。

 J1初昇格でのリーグ優勝へ。今夏から2人目の新加入となるサムライブルー戦士がラストピースになる。合流2日目の練習を終えた中山。チームメートから遠慮されていると苦笑しつつも、「仲良くやりに来たわけじゃない。優勝は自分にとって絶対のタスク」と並々ならぬ決意を口にした。

 3月に膝を負傷して離脱し、契約満了で前所属クラブを退団した。ケガの期間中、自身のキャリアについて考えることが自然と多くなったという。「復帰後、自分がどうなりたいかを考えたところで、今までそういう(優勝争いの)経験がなかったなと」。海外でのプレーにこだわりはあったものの、オファーがなかったため迷いを振り払った。

 18年には柏でJ2降格を経験した。さらに前所属先のクラブも3部に降格するなど、優勝争いとは縁がなかった。「自分がどう輝いていくか、っていう個人にフォーカスすることが多かった」。強豪でプレーすると自身にどんな“化学反応”が起きるか。今までのキャリアとは異なる景色を求めた。

 勝ち癖を求めていた中山にとって、勝負への強いこだわりを持つ黒田監督の存在は大きかった。「勝ちに合理的なサッカーで勝利への意識が高い」とうなずく。青森山田高校時代に対戦経験があるという指揮官も「昔から配球、キックとか足元がすごい上手だった。複数ポジションできるのは、いろんな意味での選択肢ですごく有効」と高く評価する。

 相思相愛で実現した18年以来のJリーグ復帰。中山は「またゼロから自分を見てもらえれば」と、新天地での再スタートへ気合十分だ。

 ◆中山雄太(なかやま・ゆうた)1997年2月16日生まれ、茨城県出身。柏の下部組織を経て、15年に柏でJリーグにデビュー。17年にはベストヤングプレーヤー賞を受賞した。19年にオランダ1部のズヴォレへ完全移籍。同年6月に日本代表入り。21年東京五輪にも出場した。22年7月からイングランド2部のハダースフィールドでプレーし、在籍2シーズンで公式戦39試合に出場して2得点。左サイドバックを主戦場に日本代表は通算22試合出場。利き足は左。183センチ、76キロ。

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