マンC新加入の藤野あおば「ベンチに座ってるつもりは微塵もない」と気合十分 ケガの経過は良好

 日テレ東京Vからイングランド女子スーパーリーグのマンチェスター・シティーに移籍する日本代表MF藤野あおば(20)が17日、多摩市立陸上競技場で取材に応じ、「入る前からベンチに座ってるつもりは微塵(みじん)もない」と新天地での活躍を誓った。

 目標だった海外挑戦で、いきなりビッククラブの一員として戦う。パリ五輪のスペイン戦では直接FKを決めるなど確かな実力を世界に示した藤野だが、レギュラーが確約されているわけではない。藤野自身も「最初にしては、かなり挑戦的な移籍」と激しい競争争いを理解している中、覚悟を口にした。

 「でも、入る前からベンチに座ってるつもりは微塵もないので、しっかり試合に絡めるように、自分の良さを発揮できるようにってところは意識的にやっていきたい。自分の努力次第でプレー機会は、どうにでもなるところだと思うので、自分にベクトルを向けてやっていくだけかなと思ってます」

 パリ五輪では苦い経験もあった。初戦のスペイン後に発症した右足痛で予選リーグ2試合を欠場。準々決勝のアメリカ戦は痛み止めを打って強行出場したが、ゴールはなく「自分を見損なった」と表情は硬かった。帰国してからも気持ちの切り替えは難しかったようで「正直内心的にはあんまり振り返りたくない大会。自分のプレーのレベルが多分ものすごく低かったですし、ミスも多かった。なのであんまりサッカー触れたくないなって、正直今も思ってるぐらいです」と心境を吐露した。

 それでも、この日行われたトレーニングマッチを観戦し、酷暑の中プレーするチームメートの姿から気持ちに変化が生まれたという。「1個1個のボールの使い方とか、体の向きとか上手いなって思いますし、サッカー楽しいなって思ったので、自分もサッカーしたいなっていう気持ちに今日なりました。もしかしたらそうなりたくて今日来たかもしれないんで、今日来てよかったなって思います」と話した。

 ケガの具合については「今は良くなっています。トレーニングも順調に積めています」と新天地での開幕戦には間に合う見込みを示した。世界大会で感じた差を埋めて、越えるべく、藤野の新たな戦いが始まる。「自信持って4年後の大会を迎えられるようにしたい」とロサンゼルス五輪で進化した姿を見せるつもりだ。

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