「三笘は止めるのが難しく世界レベル」福西崇史氏の分析「相手は相当、疲労がたまったと思う」
「W杯アジア最終予選、日本代表7-0中国代表」(5日、埼玉スタジアム)
C組初戦で日本は中国に7-0で大勝した。前半、遠藤航(リバプール)、三笘薫(ブライトン)がゴール。後半は南野拓実(モナコ)が2得点し、伊東純也(スタッド・ランス)、前田大然(セルティック)、久保建英(レアル・ソシエダード)が決めた。第2戦は、日本時間11日未明にアウェーでバーレーンと対戦。2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表の福西崇史氏が分析した。
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引き締まった試合だった。前半から余裕があり、後半に相手が5バックにしたスキを突きながら、攻撃した。得点を決めるところは成長した証だし、危なげない内容だった。
南野は前半から、上田のくさびに当たったりとか、くさびに当てた裏への抜けとか、そういうことを意識して近くにいようとしていた。その結果、チームの4点目は南野のうまさで、前半からしようとしていたことが出た。
伊東は持ち味のスピードを出していた。中国が5バックにして、あえて中に入っていった。シュートして足に当たるとか、前田のアシストとか、切れ込むことで違いを見せていた。所属チームでプレーしているし、コンディションの良さが光っていた。
久保は得点したし、ゲームコントロールにしても効果があった。特に右サイドがそうで、堂安とのコンビで入れ替わったりしながらも、ボールを持って違いを見せる点で、存在感は大きかった。そして左に三笘という武器があるからこそ、中国のディフェンスは2人がいっていたし、久保にも2人いっていた。そこでのずれが少なからず影響して、相手は相当、疲労がたまったと思う。
三笘は余裕があった。周りが見えているし、コンディションがいいのもあるが、止めるのは難しい。世界レベルと言える。ゴール前に出て点を取れることもそうだし、アシストもそうだが、相手をほんろうする力といい、三笘一人の力は大きなプラスになる。
守備については、森保監督がやろうとしてきたことをすっかり吸い込んでいた。3バックは安定していたし、安心感につながった。余裕を持ってプレーできていたのは、チーム力の差。日本代表の強さを見せてくれた。
最終予選の初戦は難しい。特に前半は守られた中、セットプレーで取れたのは、ほっとした部分。取れなかったら焦りが出始める。2点目を取って、余裕を持って、相手を走らせて、中国の勢いを南野のゴールで途切れさせた。相手に疲れが出て、集中力が切れて、結果、日本は思い通りの試合展開にできた。
バーレーン戦のポイントは先制点が取れるか。暑い中で、点が取れなくて我慢する部分があるかもしれない。守らざるを得ない展開になるかもしれない。ただ、臨機応変に戦えるチーム。メンバーは多少代えるだろう。伊東らスピードのある選手たちを入れるのではないか。
油断せず、試合への入りが大事だ。バーレーンはアウェーで劇的な形で勝った。中東勢はホームで全然違うチームになる。主導権を握るか、握られるか。先制点を取れるか、取れないか。展開を見ながらしっかり戦っていくことだが、日本はそれができる強いチームだと思っている。