森保ジャパン“快幕”W杯最終予選最多7発 伊東純也「感謝」の復活弾 性加害疑惑で離脱 7カ月ぶり代表
「W杯アジア最終予選、日本代表7-0中国代表」(5日、埼玉スタジアム)
8大会連続出場を目指す日本は、中国から得点を重ねて7-0で完勝した。日本の7得点はW杯最終予選で最多。前半に遠藤航(31)=リバプール=が先制点を挙げ、三笘薫(27)=ブライトン=が加点。後半に入ると南野拓実(29)=モナコ=が2得点、代表復帰の伊東純也(31)=スタッド・ランス=もゴールを決めた。さらに前田大然(26)=セルティック、久保建英(23)=Rソシエダード=が追加点を奪った。次戦は10日(日本時間11日未明)にアウェーでバーレーンと顔を合わせる。バーレーンは1-0でオーストラリアを破った。
伊東にとってさまざまな思いが込もったシュートが、ゴール左に転がっていった。仲間に囲まれもみくちゃにされた背番号14。その後、ゴール裏のサポーターに一礼した。「感謝の気持ちを伝えたかった」と、待望の瞬間を振り返った。
4点リードの後半18分、スタジアムが大歓声に包まれた。伊東が1得点の三笘に変わってピッチに入ると、地響きのような“純也コール”。伊東がボールを持つ度に、観客のボルテージが上がる異常な風景だった。「本当に応援してくださっている声が届いたし、力になった」。32分、右サイドからゴール前でボールを受けると、左足を一閃(いっせん)。相手DFに当たってコースが変わり、ゴールネットを揺らした。
性加害疑惑で1月にアジア杯から代表チームを離脱。自身および周囲に与える影響を考慮され約7カ月間、代表活動から遠ざかった。それでも森保監督とコミュニケーションを取り続け、今回復帰が実現した。勢いは止まらず、42分に前田、試合終了間際の久保のゴールをアシスト。ピッチに入ってから、3得点全てに絡む大活躍だった。
日本にとって進化を示した勝利だ。前回の最終予選では初戦に敗れ、1勝2敗とつまずき苦しんだ。同じ徹を踏まないよう、森保監督は「個の成長」をテーマに掲げ、最終予選進出が決まっていた6月の2次予選では3バックを試行。8強に終わったアジア杯で課題だった引いて守る相手への対抗策を模索してきた。
守りを固める相手に7得点の快勝。「過去の苦い経験を生かして、選手たちがいい準備をしてくれた。まだ1試合が終わっただけ。一戦必勝の気持ちを忘れず戦っていきたい」と森保監督。8大会連続のW杯出場へ、最高のスタートを切った。