J1首位の町田・黒田監督「変わった藤尾翔太を見せてくれると思う」2試合出場停止明けのエースの奮起に期待
J1町田の黒田剛監督(54)が19日、札幌戦(21日、町田GIONスタジアム)に向けた非公開練習後に取材に応じ、ルヴァン杯での退場から出場停止明けとなるFW藤尾翔太(23)に「変わった藤尾翔太を見せてくれると思う」と期待を寄せた。
4日のルヴァン杯アウェーでの新潟戦で藤尾は前半32分、主審にレッドカードを提示され退場。結果的にこれが大きく響き、チームも0-5で敗れた。その後、Jリーグから2試合の出場停止処分を受け、8日のルヴァン杯ホームでの新潟戦、14日の福岡戦を欠場し、ともに勝利したチームを外から見つめた。
メンタルの部分で影響が及ぶ可能性も懸念されるが、黒田監督によると退場を引きずる様子はなかったようで「気づきや学びの期間だったと彼は捉えてる」とプラスに働いた模様。決定機を生かし切れなかった浦和戦が顕著だったように、枠内シュート率が下がっているデータ・数字をミーティングでチーム全体に共有し、得点の確率を高める作業を行ってきた。それは6月15日の横浜M戦以来、PKでの得点を除いたゴールから遠ざかっている藤尾個人にも強く意識づけたという。
また、藤尾が出られなかった2試合で1ゴール1アシストと結果を残した40歳のベテランFW中島裕希の活躍から、若きエースが感じ取っているものがあると語る。「自分にはないものを中島がプレーで見せてくれたこと。彼(藤尾)が忘れかけていたものを中島が思い出させてくれたっていうことも言えると思う。彼の成長にとってはすごくいい2試合だったんじゃないかなと。次出たときには変わった藤尾翔太を見せてくれるんじゃないかっていう期待もある」と語った。
同日、取材に応じた藤尾も「やっぱり40歳になってもあれだけ動けてすごく良いコンディションでチームを勝利に導けるのはすごいと思う。動き出しの部分とか取り組みの部分ですごく勉強になります」と中島から見習う点が多くあったと話す。チームは藤尾がいない前節で首位に返り咲いた。自身が復帰することでさらに勢いづける気概だ。「しっかりと2位、3位との勝ち点差を広められるように。得点も重ねられればチームにとっても勢いがでるので、僕はしっかりと決めるところを決めるっていう課題を向き合いながらやりたい」と、8月17日の磐田戦以来、約1カ月ぶりとなる今期10得点目へ意気込んだ。