イニエスタが現役引退表明 天才プレーメーカー40歳で決断 J1神戸に5年在籍、クラブ初タイトルもたらした
サッカーの元スペイン代表で昨年夏までJ1神戸でプレーしたMFアンドレス・イニエスタ(40)が8日、自身のSNSで現役引退を表明。また、同日にバルセロナで行われたイベントで「この日が来ることは想像できなかった。自分が歩んできた道を誇りに思う」と語った。スペイン代表として2010年W杯南アフリカ大会の決勝戦でゴールを挙げて初優勝。18年に神戸入りし、20年元日決勝の天皇杯でクラブに初めてのタイトルをもたらした。昨夏の退団後はUAEのエミレーツクラブに加入し、今夏から無所属となっていた。
イニエスタは1日に自身のインスタグラムに投稿した動画で、ずっと背負ってきた背番号8にちなんで10月8日に自身の進退についての発表があると告知していた。そして、8日に改めてSNSに動画を投稿し、正式に現役を引退することを表明した。
動画では2010年W杯でスペイン代表を率いたビセンテ・デルボスケ氏、ルイス・エンリケ監督(現パリ・サンジェルマン監督)やジョゼップ・グアルディオラ監督(現マンチェスター・シティ監督)ら、これまで深く関わってきた関係者が、イニエスタに対して敬意を表するとともに、これまでの思い出について語る様子が収められ、最後は父のホセ・アントニオ・イニエスタ氏が息子にねぎらいのメッセージを送った。
イニエスタは幼少時から傑出した才能を認められ、バルセロナの下部組織であるカンテラで英才教育を受けて成長した。02年7月にトップチームに昇格。シャビ、メッシとトリオを構成し、細かいパスをつなぐ芸術的なアタックで天才的なプレーメーカーとして世界的な名手への進化。世界最高レベルの選手の1人として認められた。
バルセロナで数々のビッグタイトルを手中に収め、スペイン代表として10年W杯の決勝のオランダ戦で延長に決勝ゴールを決めた。18年W杯後には、J1神戸へと完全移籍。母国スペイン以外で初めてプレーする国として、本場のヨーロッパから遠く離れた日本を選択する大きな決断に踏み切った。神戸には5年間在籍し、日本のサッカー界にも大きな影響を与えた。昨年8月にはUAEのエミレーツクラブへ移籍。卓越したテクニックで世界中のサッカーファンを魅了して、静かにそのキャリアに終止符を打った。