【福西崇史氏の視点】アウェー2-0は評価 浮つかないし油断もしない日本代表 余裕を持って戦えている

 「W杯アジア最終予選、日本代表2-0サウジアラビア代表」(10日、ジッダ)

 米国とカナダ、メキシコで共催される2026年W杯北中米3カ国大会のC組第3戦が行われ、日本はサウジアラビアに2-0で快勝して3戦全勝の勝ち点9で首位を守った。最終予選初戦から日本が3連勝するのは初。8大会連続の出場を狙う日本は前半にMF鎌田大地(28)=クリスタルパレス=が先制し、後半に右CKからFW小川航基(27)=NECナイメヘン=が頭で決めた。日本は15日に埼玉スタジアムでオーストラリアと対戦する。最終予選はA-C組の各組2位までが出場権を獲得。3、4位はプレーオフに回る。

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 我慢するところは我慢しながら、ほしいところで先制点を取った。そしてセットプレーで仕留められ、全体を通してしっかりと戦えた。先制した場面は、堂安がボールを持っているときに南野がオーバーラップすることで相手を引きつけた。相手を引きつける動きが肝だった。鎌田はスペースをうまく見つけられる選手だし、自分の特徴を出した。

 小川はセットプレーで得点できたことが一番。自分の立ち位置を確立しようとする中で取れたことが大きい。2点目がほしいところで相手を意気消沈させた。上田もうかうかしていられない。終盤に中村と久保が交代で出てきたが、選手同士の厳しい争いはチームを引き上げる要因になる。

 ディフェンスもしっかりしていた。カバーの意識という点で町田、谷口、板倉の距離感は非常にいい。前半42分の鈴木の好セーブも大きかった。速い反応が彼の良さであり、スケールの大きさでもある。1点を取られると勢いに乗られるところで、大きなセーブだった。

 サウジアラビアを相手に、アウェーでの2-0は評価できる。暑くて、お互いの声が聞こえにくい中で、試合運びが難しくなるのは分かっていた。それでもギリギリの状況ではなく、余裕を持って戦えていた。アウェーでも浮つかないし、油断もしない。状況に合った戦い方がチームとしてできている。誰が出ても戦えるほど選手層も厚い。

 オーストラリア戦はホームだし、しっかり勝ちたい。一方で、チーム間の競争意識は持たせ続けないといけない。誰を出すかはコンディションを考えながらだろうが、最初から選手を試していくのかどうか。次の試合が楽しみだ。(2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表=デイリースポーツ評論家)

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