J1広島 青山敏弘が引退会見「クラブの決断を覆せなかった」も広島愛貫く21年 他クラブ移籍は「まずなかった」
今季限りでの現役引退を発表したJ1・広島の青山敏弘選手(38)が21日、広島市内で引退会見を行った。「尊敬するサンフレッチェ広島というクラブで引退できることをうれしく思っています」と語った。
真っすぐなまなざしでかみしめるように言葉を並べた。引退を決断した時期については「今年始まる前から、『今年で最後だ』と。前強化部長の足立さんと話をして今年に臨みました。なので、今年の始めから決めていました」と明かした。
強い決意で迎えた今季だったが、リーグ戦の出場はここまで2試合。「今年で最後って思いで今シーズン戦ってきました。クラブの決断を僕は覆そうと思って戦ってきたので、その決断を覆せなかった僕の力不足だと感じていますし、今、若い子たちが頑張っている。その子たちがポジションを奪って首位争いをしてくれている。これほど気持ち良く引退できることを僕にとっていいことだと思う」と話した。
他クラブでの現役続行の道については、「まずなかったですね」とキッパリ。「チームメートがいなくなっていく、そのたびに広島への思いは強くなっていきました。ここで優勝したいとか、もっと強くなりたい、ファン、サポーターと喜びたい、自分はそれがプロサッカー選手としての使命だと思っていました。だから試合に出られなくなっても、このチームを離れようという気持ちはなかったです」と力を込めた。
今後については「僕はピッチの上で戦い続けたい。このクラブで指導者として、監督として、日本一になりたい。それが次の夢になるんじゃないかなと思います」と言及した。チームは現在首位でリーグ優勝へまい進している中、「まだ終わってないので、ファイティングポーズをとり続けていますし、隙あれば若い選手からポジションとってやりたい。最後まで紫の6番として戦い続けます。見ていてください」とサポーターへ呼びかけた。
青山は岡山県の作陽高から2004年に広島に加入し、J1通算443試合の出場で20得点。プロ生活21年を広島にささげた。プロに2年目には左膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがを負うも再起を果たし、チームの象徴として12年、13年、15年の3度のリーグ制覇に大きく貢献した。優勝した15年にはリーグMVPにも輝いた。
バンディエラとして広島に何度も歓喜ももたらした一方、日本代表としても活躍。14年のブラジルW杯のメンバーにも選出され、国際Aマッチは通算12試合の出場で1得点を記録している。
なお現役引退セレモニーは12月1日・札幌戦(Eピース)後に行われる。