神戸 天皇杯V王手 宮代、佐々木中堅2人の活躍で勝ち切った 決勝相手はG大阪 吉田監督「楽しめればいい」
「天皇杯・準決勝、神戸2-1京都」(27日、ノエビアスタジアム神戸)
準決勝が行われ、決勝(11月23日・国立競技場)はG大阪と神戸の顔合わせに決まった。神戸は京都を2-1で下し、初優勝した第99回大会以来5大会ぶりの決勝に進んだ。G大阪は延長の末に3-2で横浜Mに競り勝ち、準優勝だった第100回大会以来4大会ぶりの決勝進出。関西勢による決勝は1953年度の全関学-大阪クラブ以来71大会ぶりで、1993年のJリーグ発足後は初めて。
神戸が層の厚さを見せつけ、2019年度以来5大会ぶり2度目の優勝へ王手をかけた。同点の後半10分、MF佐々木がペナルティーエリアで相手選手に倒され、PKを獲得。PKはGK具聖潤にはじかれたが、正面に来たボールを再び蹴り込み決勝点を挙げた。
天皇杯では3回戦・徳島戦から4試合連続得点。「PKは真ん中に蹴ったが、GKが予想より大きくて足が余っていた」と、はじかれた直後は冷や汗。しかし、すかさず得点し「PKは外すこともあるので想定に入れていた。跳ね返ってきた時に打ち付けたのは自分の中で成長」と、手応えを感じる一撃だった。吉田監督も「PKはあまりうまくないので『自分が取った時以外は蹴るな』と言っていたが、今回は自分で取ったので。しっかり入れたのでよかった」と冗談交じりに褒めた。
前半18分の先制は、佐々木のクロスにFW宮代がヘディング。佐々木が「いいボールを上げれば決めてくれる選手なので、本当に狙い通り」と話せば、宮代も「大樹ともいい関係性を築けている」と呼応する。主力のFW大迫、武藤がベンチスタートの中、中堅の2人で2点を挙げて勝ち切った。19年度の優勝時はベンチ外だった佐々木は「得点力のある選手が加入し、僕らもこの年齢層で引っ張っていかないといけない」と主力の自覚を口にした。
決勝はG大阪との関西ダービーとなった。関西勢の決勝は1953年度の第33回大会、全関学が5-4で大阪クラブに勝って以来、71大会ぶり。今季リーグ戦で1敗1分けと分の悪い相手だが、吉田監督は「今季は勝っていないし悔しさもある。決勝は全員で勝ちに行くが、楽しめればいい」と、国立での大暴れを誓った。